“女芸人マニア”として知られているお笑いコンビ「馬鹿よ貴方は」の新道竜巳が、これから“馬鹿売れ”しそうな女芸人を紹介するこの連載。今回は、最近ではすっかり珍しくなった、師匠に弟子入りしてお笑いの道に入った女性ピン芸人を紹介する――。 

【プロフィル】
 芸名‥もみちゃん☆ズ
 本名‥鈴木李紗
 生年月日‥1988年2月10日
 所属事務所‥吉本興業
 師匠‥Wヤングの故平川幸男さん(2008年2月入門)

 普段は大阪で活動されていますが、今年の「THE W 2022」2回戦は東京の会場に来られてました。今年は出番順によってウケ方もさまざまで、ウケた人もいれば思ったよりウケてない人もいて、手応えも人によって全く違ったと思います。

 そうした中でもみちゃん☆ズさんは東京というアウェーの空気をものともせず、圧倒的な笑いを起こしました。しかし圧倒的な笑いを起こしても、敗退することもあるのが賞レースです。決勝で見たいと思われないとなかなか先には進めません。でももみちゃん☆ズさんは、しっかりと準決勝に勝ち進みました。

 演じている芸人がお客さんに認知されていない状態で爆笑を起こすのは、並大抵のことではありません。それでも爆笑を起こせたのは、4分間の中でキャラクター、構成、ボケを早く理解させたからだと思います。とにかく舞台度胸が抜群です。芸歴もかなり長いので、いろんな経験をしてきたことが味方になったのでしょう。

 もみちゃん☆ズさんは、いったいどんな経緯で芸人になったのでしょうか? 本人に直接聞いたところ、師匠のWヤングさんの漫才を19歳の時に見たことがきっかけだそうです。

「実家が横浜なんですが、高校を卒業する時、大学に行こうか専門学校に行こうか就職しようか悩んでいて。横浜の実家のテレビでお好み焼き特集を見てる時、『お好み焼き毎日食べたいんだよね』って言ったら、母が『大阪行けば』って言ってくれて。それが高3の2月で、5月に大阪に出てきたんです」

 ――お好み焼きを食べるために大阪に?

「毎日食べたかったので住むしかなかったんです。そのころは絵を描くのが好きだったので、趣味で個展を開いたりしてました。それで実家に帰省してた時、やることないので浅草花月に観光も含めて行ってみようってなって。見に行ったら、今いくよ・くるよ師匠とか中田カウス・ボタン師匠とかいろいろな方が出てたんですが、Wヤングさんは唯一知らなかった。でも見たら一番面白かったんです。その時に『これが世の中で一番すごい仕事だ!』となって、事務所(吉本興業)にWヤング師匠宛てに『すごく感動しました』とお手紙を送ったら返事がきて、『1回ちょっと会いましょうか』となった。その時に『弟子にしてください』と申し出て弟子にしていただきました。ちょうど20歳になったころです」

 ――芸名が非常に個性的ですが

「私の脳内に『もみちゃん』というアイドルがいて、それを応援する団体が頭の中にいて、それが『もみちゃんズ』っていうんですよ。すごい良い名前だなと思って、そこから拝借したっていうのが本当の理由なんですけど、これを言うと変な空気になるので、表向きは『足つぼのお店で働いていたのでもみちゃんズにしております』と言ってます」

 ――1人でやってるのに「ズ」が入っている理由は

「もともとはプラン9さんみたいに大人数でコントがしたかったんですよ。まずグループというか箱だけ作っておこうと思って複数形にしていたんです。でも私はNSCとかにも入ってなくて孤立してたので、そのままになりました」

 昨年はM―1グランプリに男女コンビ「ぽにちゃん村」で出場され、2回戦まで勝ち進みました。またヤクルトスワローズの大ファンだそうで、ツイッターではヤクルトのことばかりつぶやいております。

 もし「THE W」で決勝まで勝ち進めたら、独特なキャラクターが注目され、テレビ出演も激増されそうな予感がしています。

 ☆しんどう・たつみ 1977年4月15日生まれ、千葉県出身、本名・濱島英治郎。平井“ファラオ”光と組む「馬鹿よ貴方は」として「THE MANZAI」「M―1グランプリ」で決勝進出を果たした実力派。緻密なネタ作りに定評がある一方、女芸人ナンバーワン決定戦「THE W」では、予選会場に足しげく通い、ほとんどの出場者のネタを見るほどの“女芸人マニア”。