頂上決戦の行方とその後の立ち技界は――。 立ち技打撃格闘技「RISE」の伊藤隆代表(51)が立ち技メガイベント「THE MATCH 2022」(19日、東京ドーム)を直前にインタビューに応じた。K―1のエース・武尊との頂上決戦に送り込む那須川天心(23)が近年にない仕上がりと明かし、圧勝を予告。さらに気になるK―1との〝交流戦〟の今後の可能性についても言及した。

 ――団体として異例の合宿を5月に行った

 伊藤代表 対抗戦という図式もあるし、RISEのトップ選手をたくさん出すので「チームRISE」の意識を高める目的ですね。各選手に限界を超えさせたかった。実際超えた選手も多かった。あとは結束感ですね。

 ――結束と共に「仲間に負けられない」意識も

 伊藤 もちろん。だからこそ限界を超えると思うので。技術の交流もあるのでいいことだけですよ。サポートで若い選手も来ていますし、彼らの勉強にもなりますよね。

 ――その総大将ともいうべき那須川天心への期待は

 伊藤 白黒つけるべきでしょ。最後だし。ギリギリで勝つのではなく、しっかり決着をつけるのが相手に対する礼儀。互いに白黒つけるのが敬意じゃないですか。

 ――だが、ここまで期待されただけにこう着の展開になる不安もある

 伊藤 確かに「メイウェザーVSパッキャオ」みたいに「期待されたけどやってみたら凡戦だった」っていうのはあるけど、今回はそうはならないんじゃないですか? お互い、自分の将来を背負っているので。

 ――結果は那須川の圧勝か?

 伊藤 もちろんです。ベストはKOですけど、判定でも1、2回ダウンを取ってフルマークでしょう。そうなるようにつくり上げて、いい時の天心に戻っている。

 ――実際、ここ何年かは本来ほどの動きではない試合も…

 伊藤 本人に迷いもありましたよね。方向性の迷いもあったし。ある意味、風音とやった試合が良かったと思うんですよ。あれがなかったら分からなかった。風音戦が自分自身を見直すきっかけになったと思います。あの試合を経験したからこそすごい結果になります。

 ――伊藤代表としても、ここ最近は物足りなかった?

 伊藤 そうですね。那須川天心はイコール圧倒的な試合、KOですよ。それがちょっと足りない部分はありました。マネジメントに関わる人間として「もっとできるんじゃないの?」と。余力が残っているように見えた。完全に勝っているならしっかりKOした方がいい。それが相手に対するリスペクトです。

 ――相手を〝介錯〟していなかったと

 伊藤 そうそう。もともとは那須川天心って前に出てくる選手が得意なので。そこはかみ合うと思います。

 ――那須川天心がいなくなった立ち技界はどうなるか

 伊藤 元気がなくなるかもしれない。那須川天心みたいな選手は出てこない。だから、ああいう志を持った選手が5~6人いて、その子たちが競い合っていけばいいんですよ。そうすればおのずとまた上がっていきますから。

 ――那須川天心と武尊によって開いた「対抗戦」の扉は今後どうなると思うか

 伊藤 僕らのスタンスは変わらないです。やるならやりますよ。

 ――K―1も今回の結果次第で〝次の対抗戦〟を考えるかもしれない

 伊藤 そうですね。もちろんわれわれも全勝を目指していますから。そこで向こうがどう考えるか。われわれは構わないし、それが何年に1回か分からないですけど。それで業界が盛り上がればいいことだし。

 ――ちなみに芦澤と対戦するYA―MANは。今回も注目を集めている

 伊藤 芦澤選手の男気でオープンフィンガーグローブ(OFG)でやることになりましたけど、試合になったらビックリすると思いますよ。全然勝手が違うので。

 ――YA―MANのOFG戦での強さの理由は

 伊藤 技術的な部分ですよ。ボクシング技術です。あとは、メンタル的にもOFGって相手の懐に入るのが怖いんですけど、YA―MANは入れるので。普通はどうしてもストレートの距離で戦ってしまうんですけど、彼は入れるからアッパー、ボディーも使って戦える。それにしても、まさかここまでブレークするとは思わなかった。コメントもうまいし、プロとして素晴らしいんじゃないですか?