大相撲夏場所4日目(11日、東京・両国国技館)、横綱白鵬(31=宮城野)が初顔合わせの幕内正代(24=時津風)を押し出して4連勝。初顔に対して27連勝となり、歴代単独3位に浮上した。だが、勝負が決した後に見せたダメ押し行為に、審判部は“イエローカード”。今場所抑えてきた感情が突如、爆発してしまった背景にあったものとは――。

 最強横綱が冷静さを失った。仕切りの際に大入りの館内で「正代コール」が沸き起こると、白鵬の顔面はみるみる紅潮。立ち合いから正代の顔面を張ってノド輪で押し出すと、土俵を割った相手をダメ押しで吹っ飛ばした。2日目にも完全に土俵を出た相手を突き飛ばしたばかり。この日も最後に相手に手を差し伸べたものの、取ってつけたような行動にも見えた。

 審判部長の二所ノ関親方(59=元大関若嶋津)は「場所前に(力士会で)言ったのにね。カッとなったのかな。なかなか直らない。ダメ押しはいかん。見苦しいし、見本にならない」と苦言。本人を呼び出しての注意については「そこまではしない」と今回は見送る考えを示したものの、改めてダメ押しの常習犯であることを印象づけた。

 白鵬といえば、以前にも幕内遠藤(25=追手風)に送られたコールにカッとなり、エルボーばりのカチ上げなど荒業を連発した“前科”がある。この日も館内に充満したアウェーのムードに、つい熱くなってしまったのか。白鵬自身は「正代コール? 何でもない。(最後は)いきすぎず、緩すぎず。ちょうど」と平静を装ったが…。勝負が決した後には正代が礼をする前にさっさとそんきょしてしまい、審判長がやり直させる場面も。心の乱れがあったことは否定できない。

 くしくも、この日は師匠の宮城野親方(58=元幕内竹葉山)が大相撲中継の解説を担当。同親方は放送の中で「周りから言われると、熱くなってしまう。(部屋に)帰ったら言っておきます」。今後も人気力士や地方のご当地力士と対戦する際には、横綱を敵に回したコールが場内で沸き起こることもありえる。そんな中で再び同様の行為を繰り返すようであれば、審判部が厳しい対応に出る可能性が高そうだ。