「頂き女子」なるワードが急速に広がっている。頂き女子とは、出会い系アプリやSNSで男性に接近し、恋愛感情を刺激してお金を〝頂く〟女性のことだという。ここ数日の間にネットで拡散されているが、存在自体は昨年から確認されていた。コロナ禍で一層の広がりを見せている援助交際やパパ活の流れにあり、事情に詳しい関係者によると、あの〝凶悪事件〟の手口に類似しているという。それは――。


 昨年「会わない援交」として、SNSを使って男性にお金を無心する女性がいると報道された。

 援助交際事情に詳しい男性は「彼女らは2000~3000円という比較的低い金額を大勢の男性に無心して食つなぐことを目的にしています。物乞い行為といってよく、物乞いは軽犯罪法で取り締まり対象になっています」と話す。

 このケースでは、金銭のやり取りはスマホ決済アプリが使われていたのが特徴だった。

 だが、今年になって急に注目度が上がっている「頂き女子」は、それらとはカテゴリーが違うという。

「頂き女子は男性の恋愛感情を利用して、お金を貢がせる手法です。ネットで出会ったとしても、相手の男性に絶対に会わないというわけでもありません。かつてあった木嶋佳苗死刑囚の婚活殺人事件が、まさにそうでした」(前出の男性)

 婚活殺人事件とは、2007年から09年にかけて、3人の男性が殺害された首都圏連続不審死事件のこと。3件の殺人罪や詐欺、窃盗罪に問われた木嶋佳苗死刑囚(46)は、17年に死刑判決が確定した。殺害された3人の男性からは木嶋死刑囚に金銭が渡っており、なかには結婚をチラつかされた男性もいた。命は奪わないものの「頂き女子」は恋愛感情を悪用する手口は同じだという。

 さらには、秋篠宮家長女の眞子さまの婚約者・小室圭さんの母親の金銭問題でも、いまだに解決しない男女のお金トラブルが横たわっている。

「母親の元婚約者男性から約400万円が母親に渡っていましたが、母親側は『借金じゃなく贈与』という主張でした。これにも頂き女子は似ていて、男性が好意でお金を渡したというのであれば贈与といえる。頂き女子は物乞いには当たらないのです」(前同)

 恋愛感情が絡んでいるだけに、男性側がなかなか訴えるという話にはならないのだ。

 司法関係者は「借用書がないのであれば、女性は『お金はもらったものだ』と主張するでしょう。お金を貢がせる際に、もし嘘をついていたのなら、詐欺罪に問えるかもしれませんが、詐欺罪の成立はそもそも簡単ではありません」と語る。

 男女にかかわらず、恋愛関係にあった時に貢いだお金が返ってくるなんて話は聞いたことがないのは、こうした事情がある。

 SNSでは「頂き女子」を自称する女性らがいくら〝頂いた〟かを競うように明かしている。その単位は数千円ではなく万単位。女性に貢いだ経験がある世の男性諸君は、くれぐれも気をつけてほしい。