やはりタレントの擁立は難しい? 参院選(22日公示、7月10日投開票予定)東京選挙区に自民党から出馬を表明している、おニャン子クラブ元メンバーの生稲晃子氏(54)がトラブルに見舞われた。出演していた通販番組の映像が出馬表明でお蔵入りしたことで、制作会社から所属事務所に対し、900万円の損害賠償を請求する訴訟を起こされたのだ――。

 訴訟提起したのは、BSの通販番組「痛快!買い物ランド ショップ島」を制作している東京テレビランドだ。親会社のジェイ・エスコムホールディングスは6日付で、生稲氏が所属している事務所「プロダクション尾木」に対し、900万円の支払いのほか、最大で2000万~4000万円程度に増額する可能性がある損害賠償訴訟を提起したと公表した。

 ジェイ社によれば、生稲氏は同番組に2016年から準レギュラー的な扱いで出演していた中、今年3月末に参院選に出馬する旨の連絡が事務所側からあり、4月6日には正式に出馬会見が開かれた。

「公職選挙法上や民放連の(出演)基準があって、6日以降は生稲さんが出演していた制作済みの映像が使えなくなった。収録済みの映像はかなりあって、損害について、事務所側と交渉してきたが合意に至らなかった」(ジェイ社の担当者)

 900万円の支払いのほかに、最大で2000万~4000万円と試算していることには「映像によっては、生稲さんがずっと出ずっぱりのものもあった。スポンサーの意向もあって、差し替えが難しい場合もあって、完全に使えなくなったものもある。4月末の時点で確定しているのが900万円で、5~6月分はこれから損害額が確定してくる」と説明した。

 民放連では公平・公正の観点から、出馬を表明している予定候補者に関し、事前運動になりかねないため、番組に出演させないという取り決めがある。自粛時期は局によって異なるが、選挙の1~2か月前からが多く、収録済みの番組に関しては差し替えを余儀なくされる。

 生稲氏は出馬会見で、3月上旬に自民党の世耕弘成参院幹事長から出馬を打診されたことを明かしている。安倍晋三元首相が会長を務める党内最大派閥の清和会が実質的にサポートし、擁立に動いた。

 永田町関係者は「自由に立候補できる被選挙権はあっても、タレント候補の場合、レギュラー番組やCMとの兼ね合いがあり、発表のタイミングが難しい。事務所側が調整しなくてはいけないが、今回のような選挙が差し迫った中で、急に擁立が持ち上がった場合、勢いのまま『発表してしまえ!』となりがちでトラブルになる」と指摘する。

 過去に、東京都知事選や国政選挙で何度も出馬のウワサが流れた東国原英夫氏は、テレビ出演やCMが飛んでしまうことを嘆き、「選挙に出る計画も予定もない」と不出馬を繰り返し表明しても焼け石に水。収録済みの番組にぼかしがかけられる措置を取られたこともある。

 プロダクション尾木は7日、「まだ訴状を受け取っておりませんので、内容を確認できておりません」と前置きしたうえで、「事前に契約条件を提示されたことはなく、契約書も作成されておらず、このような経緯において契約違反に該当することはないと考えております。とはいえ差し替え映像の制作協力やそれにかかる費用負担の提案など当社にできる協力は誠意をもって行ってきましたので、このような事態になったことは大変残念です。今後、訴訟において当社主張の正当性を主張していく所存です」とのコメントを発表した。

「事務所側への損害賠償金が4000万円くらいならまだ安い方。かつてはCMが飛んだことで億単位の違約金を請求されたタレント候補もいる。損害賠償が確定した場合、最終的に一部は党側が持つことになるでしょう。本人のスキャンダルではないので、選挙へのダメージはほとんどないのでは」(前出の関係者)

 ただ事前の話し合いが決裂し、事務所側が法廷で争う姿勢を見せたことで、生稲氏は訴訟を抱えたまま参院選に突入することになりそうだ。