岸田文雄首相(64)は、2022年度補正予算案をめぐる衆参予算委員会で、野党議員からの質問に「検討する」という答弁を繰り返し「検討使」と皮肉る声が出ている。

 30日の参院予算委員会では、欧米や中東で感染が拡大中の「サル痘」について「情報収集に努めながら、対応を検討していきたい」と立憲民主党の森裕子参院議員の質問に答えた。

 立民・有田芳生参院議員は、沖縄県の米軍基地周辺の地下水などで有害性が指摘される有機フッ素化合物が検出された問題について質問。これに首相は「検出状況を把握し、毒性評価など最新の科学的知見を確認します」と表明した。住民の健康への影響を調査するための血液検査を実施する動きがあることに関しては「政府として何ができるか検討したい」と話し、不安解消に努める意向を示したが、歯切れの良い答弁はしなかった。

 国民民主党の玉木雄一郎代表は、先週27日に行われた衆院予算委員会で「検討」を多用する岸田首相に対して「『検討使』と呼ばれてるんですよ」と指摘。その後、自身のツイッターでは「衆議院の記録部から『ケントウシ』とおっしゃたのは、どんな漢字を当てればいいのですか? と問い合わせが来たので『検討使』です! と答えておきました。議事録に載ります」とつぶやいた。

「遣唐使」をもじった「検討使」と岸田首相を皮肉った玉木氏。今後、岸田首相の対応が注目される。