ケガの巧妙か。WBO世界ミニマム級タイトルマッチ(22日、東京・後楽園ホール)で初防衛に成功した王者・谷口将隆(28=ワタナベ)が挑戦者・石沢開(25=M・T)の〝計量騒動〟によって知名度が急上昇している。

 対戦相手の石沢は試合前日の計量で体重超過。当日計量でクリアして試合は成立したが、一時は谷口が試合拒否を求めて関係者と激しい口論をするなどドタバタ劇が繰り広げられた。試合当日は異様な注目を集め、11ラウンド(R)TKOで勝利した谷口が「彼はすごい反省したと思う。これからの彼を見ていただけたら。失敗から何かがあると思うので」とリング上で発した優しい言葉も大きな感動を呼んだ。

 一夜明けた23日、ワタナベジムの渡辺均会長は「とにかく成立してくれて良かった」と安堵。谷口のマイクパフォーマンスには「私のすべての気持ちを表していた。本当にいい言葉を言ってくれてありがとう」と感慨深げだった。

 そんな谷口は騒動以前を振り返って「正直、注目度はメッチャ低かったと思うんですよ、最初」と冷静に分析。その上で「こんなん言うたらアレなんですけど、計量オーバーでいろんな人に注目されるようになって。そこで無事に防衛できたってところだけが僕が得たものなのかなと思う」と思わぬ〝効果〟を口にした。

 谷口のV2戦はまだ白紙だが、将来のビジョンとして「いずれライトフライに上がると思う」と渡辺会長。同階級には谷口とジム同期のWBA同級スーパー王者・京口紘人がいる。6月にメキシコで予定されている団体内統一戦に勝てば、年内のダブル世界戦も現実味を帯びてくる。

 谷口自身はライトフライ転級に「ゆくゆくは考えてますね。試合中に足がつるとかアクシデントがあれば」と前向き。あと2年で30歳になるが「ピークはこれからになる気がします」。実力と実績だけでなく、知名度も上昇カーブを描きそうだ。