ありがとう、マキビーム! ガールズケイリンのトップ選手として活躍を続けていた高木真備が3日、引退を発表した。高木は昨年末の静岡ガールズグランプリ2021で悲願達成。京王閣競輪場で行われたその優勝報告会で、ファンを前に引退を告げた。14年5月のデビュー(奈良)から8年。ファンと一緒に駆け抜けた8年間だった。 

 2012年7月に始まったガールズケイリン史上、最高に輝いた選手が頂点にいながらにして引退を決めた。高木真備は3日、ホームバンクの京王閣競輪場のファンを前に引退を発表、バンクに別れを告げた。

 まず「こうして地元のお客様の前でグランプリの優勝報告をすることができて、とてもうれしく思います」と話し、ファンへの感謝の思いを続けた。ただ、かすかに寂しげな表情のまま、報告会の最後に「私からお話ししたいことがあります。競輪選手を引退させていただきます」と告げると、突然の発表に場内のファンは「えっ」「ウソ」と時が止まったかのように静まり返った。

「最大の目標だったグランプリを勝って、これ以上のことはないと思ったんです。そのためにやっていたので」

 今年に入ってからもレースには出場していたが、思うような成績は残せなかった。必死に戦っても「この3か月は苦しかったし、ファンの方に納得してもらえる走りじゃなかったと思う」と、何かが足りなかった。とにかく、ファンだけは裏切れない…。

 デビュー当初は弱かった。だが、負けた時でも成績が振るわなくてもファンは応援し続けてくれた。トップ選手への扉を開けてくれたのも、ファンだった。15年のガールズケイリンコレクション、現在のガールズドリームレースはファン投票で出場が決まる大会だった。そのレースにファン投票3位で出場することができた。

 当時は「自分の力じゃコレクションには出場できなかった。ファンの方が出場させてくれたから、上位のレースを経験できて成長できた」と、将来につながる大事な切符をファンが与えてくれた。

 その思いに応えて、16年にはファン投票1位で選出されたガールズコレクションで感動のビッグ初優勝。グランプリを含め5回、ビッグタイトルを制した。

 今、ファンに伝えたい思いは「ありがとうございました、のひと言です。私はガールズケイリンの誰よりもファンが育ててくれた選手だと思うんです。8年間一緒になって戦ってくれたので」。

 引退後は保護犬や保護猫を救う活動に力を注ぐ予定だ。「グランプリを勝って最高の終わり方ができたと思うんです。すごくスッキリした気持ちです」。今後はレースには出走しない。ラストランは3月29日の川崎決勝となった。

 ガールズケイリンが生まれて10年。ファンの涙雨に包まれて、マキビームは伝説となった。

 ☆たかぎ・まきび 1994年8月17日生まれ、岡山県出身。162センチ、68キロ。東京所属の106期生。名前の由来=奈良時代の政治家で遣唐使に任命された吉備真備。必殺技=マキマキマキビーム。2014年5月9日、奈良競輪場でデビュー。全616走で379勝、優勝は91回。主な優勝実績・16年ガールズケイリンコレクション(現ガールズドリームレース、松戸)、17年ガールズドリームレース(いわき平)、20年ガールズケイリンフェスティバル(いわき平)、ガールズケイリンコレクション(伊東)、21年ガールズグランプリ(静岡)。