慶応大学のアメリカンフットボール部は15日、無期限で活動を自粛すると発表した。慶大は関東大学リーグの1部上位8校による「TOP8」でプレーしている。リーグを統括する関東学生連盟は、今季ここまで2勝1敗の慶大が第4戦以降を棄権し、不戦敗扱いになるとした。名門が無期限自粛とは、いったいどれほどの“悪事”を働いたのだろうか。

 同部と大学の体育会と連名で、ホームページ上に掲載したリリースでは「このたび、部内において複数の部員による著しく不適切な行為があったことが認められたため、無期限で活動を自粛いたします。関係する方々に多大なご迷惑をおかけすることを心からお詫び申し上げます」としている。だが、肝心の不適切な行為については「教育的観点およびプライバシー保護の観点から詳細は公表いたしかねます」と説明するのみだった。

 本紙の取材によれば、部員2人が主導した「女子風呂盗撮」であることが明らかになった。慶大OBが匿名を条件にこう明かした。

「“事件”が起きたのは今年の夏合宿。部員XとYが、アメフット部の女性マネジャーに対するノゾキを計画したことに端を発する」

 同部のSNSによると、夏合宿は5泊6日。

「『自信と信頼』『応援されるチームを作る』をテーマ」としたもので、保護者やOBも応援に駆け付けていた。しかし、信頼も応援も裏切る合宿となったようだ。

 Xは宿泊先の風呂場にカメラを仕掛け、女性マネジャーの裸体を盗撮。それをほかの部員に拡散したという。

「悪事がバレたのは、宿泊先側が隠しカメラを発見したため。この事実を知った被害女性の父親が激怒し大問題になった。部内で隠蔽を図ろうとしたが、一部マスコミに漏れたため、この日の発表になったと言われている。主犯の部員2人は、即退部処分になったと聞いている」(同)

 今回の騒動をめぐっても、盗撮とは別に「未成年部員が集団喫煙した」ため、無期限活動自粛という情報が流れていた。

「発信源は慶大アメフット部に直接関連する人物。“盗撮事件”を隠すために、集団喫煙というダミー情報を流していたフシがある」(別の慶大OB)

 大学アメフット部の“ノゾキ”といえば、2012年、早稲田大学のアメフット部の男子部員約30人が夏合宿中に、ホテルの女性用の風呂場をのぞいたことがあった。さらに上級生約20人が未成年の部員に飲酒を強要。この計約50人は大学から1~3試合の出場停止処分を受け、部も10日間の活動停止となった。その早大と慶大は、10月13日に試合予定だったが、台風19号により中止・順延となっていた。

 別のOBは「今回の慶応の事件は、7年前の早稲田の事件とほぼ同じ。処分の重さが違うのは、早稲田の時はまだSNSがそれほどでもなく、画像の拡散はなかった。また、早稲田はマスコミにバレる前に、アメフット部が大学に報告して、該当選手のみ出場停止にし、早めに手を打った。それはそれで軽すぎるという批判を受けたが、今回の慶応は部ぐるみで隠蔽しようとしたのかもしれず、無期限自粛という重い処分になったんでしょう」と指摘している。

「ユニコーンズ」のチーム名で知られる慶大アメフット部は1947年の第1回甲子園ボウル(東西学生王座決定戦)を制し、初代学生王者になった歴史を持つ。関東大学1部(現TOP8)常連校でもある名門・慶大の不祥事は、悪質タックル問題で昨季の出場資格が停止された日大に続き、関東学生リーグの運営を揺るがす事態となった。