北京五輪の開幕まで約3週間。2018年平昌大会ではカーリング女子のLS北見(現ロコ・ソラーレ)が銅メダルを獲得し、日本中が〝カー娘フィーバー〟に沸いた。カーリングは人気スポーツとなる一方で「氷上のチェス」と称される競技の奥深さは素人には分かりにくい部分もある。そこで、本紙は平昌五輪男子代表の山口剛史(37=SC軽井沢クラブ)を直撃。北京五輪を前に、カーリングの素朴な疑問を聞いてみた。
――氷上のチェスと呼ばれる理由は
山口 カーリングは1エンド(E)にお互い8投ずつ投げ合って、それを10Eやります。点数を取ったチームが次のEで先攻になるので、有利な後攻の時に2点を取って、先攻となった次のEは相手に1点を取らせるのがセオリーの戦い方なんですよね。1Eの8投の中でわざとガードの石を置いたりとか、相手のガードの石をはじき出したりとか、3手先の相手のショットを読みながら、有利な展開をどうやって作っていくかを考える点は、チェスや将棋に似ていると思います。
――頭だけでなく、体力も使うスポーツ
山口 4人の中でリード(1人目)とセカンド(2人目)は、自分以外の3人分のスイープ(掃く作業)をしないといけないんですよ。例えば、リードが投げた石が弱くて最初から全力で掃いたら、だいたい25秒ぐらい掃き続けます。そうすると心拍数が180くらいまで上がってしまうので、短距離走ぐらいの強度はあると思います。毎回掃き続けることはほぼありませんが、10Eの試合だと約80回は掃くと思うので、リードとセカンドは体力的に本当に大変です。
――司令塔と呼ばれるスキップの大変さは
山口 スキップはほぼ掃かないですが、ずっと作戦を考えています。頭はどんどん動かしているけど、体はそんなに動いていないので、体温が結構奪われたりもします。また、メンタル面でプレッシャーを感じるポジションの特性上、そのへんの疲れも出てきやすいので、集中力が必要。普通だと1日2試合くらいやって、最低でも6時間ほど氷上に乗っているので、集中力を保つ体力が大事になってきます。
――だからこそ「もぐもぐタイム」も重要
山口 ロコ・ソラーレはフルーツを多めに食べたりとかしていますよね。僕は平昌五輪の時、ラムネやブドウ糖を摂っていましたね。頭にもエネルギーを補給することで、集中力が下がりにくくなるのが狙いですね。
――体力強化の練習はどんなことをしている
山口 ランニングなどの有酸素系の運動をやったり、バイクトレーニングもしていますね。他にもウエートトレーニングをやったりとか、北海道銀行は陸上系のハードルを使ったトレーニングもやっています。柔軟性も必要になってくるので、僕はピラティス(エクササイズの一つ)を補強で入れたりします。チームごとに細かい部分は違いますが、特にスイープで体力を使うので、普通にトレーニングはしていますね。各チームでバラバラですが、だいたい1時間半~2時間くらいは費やしていると思います。
――氷上ではどんな練習をしている
山口 フィジカルトレーニングよりも技術トレーニングの方が多いですね。より正確に投げる練習や実戦形式の練習が中心だと思います。氷上練習はロコ・ソラーレだと、たぶん1日3時間ぐらいまでしかやっていないと思うんですよね。基本的には氷上練習とフィジカルトレーニングというのが、どこも多いとは思いますね。












