8月中旬からJR東日本管内で、ケーブルが燃やされたり、変電所などに不審火が相次いでいる事件で、警視庁は防犯カメラに写っていた30代とみられる男の行方を追っている。

 8月16日に東北本線線路脇のケーブルが燃えたのを皮切りに23日、品川変電所でボヤが発生。以降、JR東日本管内では30日までに7件の不審火があった。うち1件は自然発火の可能性があり、警視庁は6件を連続放火の可能性が高いとみて、捜査本部を立ち上げた。

 4件でケーブルや架線が燃やされ、1件が変電所でのボヤ騒動だったことで、当初は事情に詳しい鉄道関係者や過激派による犯行との見立てもあった。

 元神奈川県警刑事で犯罪ジャーナリストの小川泰平氏は「変電所は防火対策されており、簡単に燃える施設ではないので、影響は少ない。鉄道関係者なら逆にそれをよく知っているはず。また投げ込んだペットボトルも針金にティッシュを巻いた単純な方法で、組織の背景は見えない」と指摘。稚拙で、回数を重ねることでエスカレートしていく典型的な放火魔の手口とみている。

「最初の犯行とみられる16日は午前2時半。まず小手調べではないが、慎重に犯行に及んでいる。その後は大胆になっていき、真っ昼間にも犯行を働き、場所も品川周辺に集中している。人通りが少ない場所を知っており、近くに住居があるのではないか」(小川氏)

 JR東日本の冨田哲郎社長は2日、防犯カメラの増設や巡回警備の強化などの対策を発表した。

「犯行がJRに特化していて、何かしら恨みや意図があるのは間違いない。一方で、犯人は絶対捕まらないという自信があるから繰り返す。警備が強化され、すぐに同じ犯行に及ぶとは思えないが、またしばらくしたら犯行に及ぶのでは」(小川氏)

 連続放火犯が尻尾を出す時は来るのか。