またも扉を開けた。フィギュアスケートの四大陸選手権(エストニア・タリン)のアイスダンスは21日にフリーダンスが行われ、結成2季目の〝かなだい〟こと村元哉中(28)&高橋大輔(35=ともに関大KFSC)が109・48点をマーク。合計181・91点で同大会の日本勢初となる銀メダルを獲得し、歴史に名を刻んだ。

 北京五輪出場は果たせなかったが、その悔しさをバネに別の国際舞台で輝いた。リズムダンスでは転倒があったが、この日は息がピッタリ。進化したツイズルはレベル4として、最後までミスなくクラシックバレエ「ラ・バヤデール」の世界観を演じ切った。

 試合後、高橋は「オリンピックに行くことはかなわなかったんですけど四大陸(代表)に選んでいただいた。アイスダンスを組んでからコロナになって試合もほとんどできていない中で世界と戦う貴重な場面を与えてもらった。その中で結果を残して自信につながる」と話し、次なる目標を3月の世界選手権(フランス・モンペリエ)に掲げた。銀メダルの成績には「結果だけを見るとまだシルバーコレクター(笑い)。やっぱりゴールドメダル、表彰台の真ん中に2人で立ってみたい気持ちも芽生えている」とさらなる目標を設定した。

 また、世界選手権後の身の振り方についても質問が飛んだ。高橋は言葉を選びながら「慎重にゆっくり落ち着いて考えたい。2人で作り上げるものなので、2人の気持ちがマッチしないと同じ方向を向けない。今シーズンは悔しい気持ちがあった中で、まだ違う景色を見てみたい。このアイスダンサーとしてパフォーマンスするのはすごく楽しくて本当に素敵な時間だと思っています」と話した。

 フィギュア史に新たなページを刻んだことには「日本ではまだカップル競技がメジャーでない。やっぱり結果を出すことで注目してもらえるので、興味を持ってもらうチャンス。こういう形で日本人、アジア人が銀メダルを取ることができたのはビッグニュースだし、いろんな人に知ってもらえるキッカケになるのでうれしいです」と笑みを浮かべた。