【ナント!不思議な体の仕組み】よく眠れない方は「右向きの姿勢」を

2020年07月22日 10時00分

 まだまだスッキリしない天気が続いていますが、夏は確実に近づいています。今夏の過ごし方でとにかく、声を大にして言いたいのは「夏バテ厳禁」です。例年の夏であれば、「食べられない、眠れない、なんとなくだるい」などの夏バテはこの時期の風物詩として受け止められていましたが、今年は何といっても新型コロナウイルスとの闘いがあります。夏バテ=免疫力の低下に結びつく恐れがあるため、早めの対策が必要です。今回から何回かに分けて、夏の過ごし方の注意点をお伝えしていきます。

 まず初回は睡眠について。日頃から患者さんからは「眠りが浅い」「よく眠れない」といった悩みが聞かれます。そんなときに私が勧めるのはオリジナルの入眠儀式です。高速道路での運転、事務的な作業など、一定のルーティン行動時に人は眠気を誘うといわれています。こうした単調行動は、脳にα波を出現させて副交感神経を優位にすることで、眠くなるという仕組みです。

 そんな効果を利用した昔からある入眠儀式としては「羊の数を100まで数える」などがあります。大人になってさすがに…という方には、例えば「リラックスできる音楽を聴く」「お気に入りの本を10ページほど読む」などもいいでしょう。逆にNG行動としては、実は寝る直前の歯磨きです。歯磨きをすると交感神経が優位となり、なかなか寝付けなくなってしまうのです。

 また寝酒(ナイトキャップ)もほどほどに。「寝付けの1杯」は、リラックス効果もありますが、問題は量。大量に飲酒すると睡眠時に中途覚醒をもたらし、夜中に目が覚めてしまいます。また、いびきをかくことで気道がふさがり、睡眠時無呼吸症候群などに陥ると体が休まらず、朝起きても体に疲労が残っている状態にもなりかねません。

 よく眠れないという方は、「右向きの姿勢」を試してみてください。なぜ右向きに寝るのがよいかというと、胃が体の右側に向かってカーブするように位置しているため、胃のカーブに沿って寝ることで、食事の消化を助けます。質のよい眠りをキープできるというわけです。

 最近では、多種多様な抱き枕も出ています。冷感素材を使った商品などもあるため、猛暑が予想される今夏、そういったものも利用しつつ快眠で体調を整えましょう。次回は食事編です。


☆工藤孝文(くどう・たかふみ)福岡大学医学部卒業後、糖尿病などの生活習慣病、甲状腺疾患などホルモンの疾患を専門に勉強。現在は福岡県みやま市の工藤内科で減量外来を含めた地域医療に取り組んでいる。「あさイチ」「ホンマでっか!?TV」などメディア出演も多数、「心と体のもやもやがスーッと消える食事術」(文藝春秋社)、「ざんねんな人体のしくみ」(青春出版社)など体のメカニズムに関する著作も多い。