大阪、兵庫、宮城の3府県で5日、新型コロナウイルス対策の「まん延防止等重点措置」が始まった。期間は5月5日まで。適用区域となる大阪、神戸、尼崎、西宮、芦屋、仙台の6市では飲食店に対する午後8時までの時短営業を要請、一部では行政による協力状況や感染対策の見回りも始まった。

 一方、東京・銀座のクラブは「銀座に人が来るのは夜8時から。時短要請に応じていたら店は潰れ、ホステスは路頭に迷う」として、緊急事態宣言下でも時短要請を無視し、3分の1ほどが通常営業していた。現在はほとんどが通常営業だが、ホステスが急減しているという。

 銀座社交料飲協会に加盟するクラブの関係者は「コロナ禍の前は約1万人といわれたホステスが、半分近い5000人近くに減ってます」と明かす。

 昨年の4月に緊急事態宣言が発令されたが、確定申告しているホステスたちは持続化給付金、店は協力金や雇用調整助成金などでしのいだ。

「緊急事態宣言解除後は、少しお客が戻ってきたので、お客を持っているホステスだけが出勤。お客がいないホステスたちは自宅待機だったんです。その間、昼間のアルバイトやギャラ飲みで、なんとか生活ができた。12月には年末商戦ということで、どの店も在籍しているホステスを出勤させた。年末の段階では、目立ってホステスは減ってなかったんです」(クラブチェーン店責任者)

 新年に突入するころから再び感染者が増えだして、緊急事態宣言が再発令されたが、銀座は一部が時短営業を無視。その間、国会議員らが深夜豪遊したことが報じられ、銀座のクラブ街は悪者にされた。

 大箱クラブ店長は「再び客足が遠のいた。お客を持たないホステスたちは自宅待機に逆戻りしたんです。コロナは下げ止まりどころか増え続けている。このまま待っても終息の見通しが立たない。東京に見切りをつけて、故郷に帰ったり、昼間の仕事に専念したり、どの店も半分近くのホステスがやめてます。寂しくなりました」と語る。

 たくましい銀座のホステスもコロナ禍には勝てなかったようだ。