観光地住民の県外アレルギー実態 流言飛語も飛び交い疑心暗鬼に

2020年08月06日 11時30分

 新型コロナウイルスがまた猛威を振るう中、お盆休みシーズンに入る。帰省する方も受け入れる方も今年は細心の注意が必要となるが、地方の観光地周辺では“県外者アレルギー”が広がっているのも事実だ。

「怖い東京! 涼しい高原にでも行きたいですね。迷惑?」。信越地方で家族4人暮らしの男性(48)のもとに先日、都内で独り暮らしの母親(77)からこんなLINEが来た。

 男性は「田舎は周りの目もあるし、都心からの人との絡みで感染拡大しているという認識が広がっているからね。受験生もいるし、仕事もあるし、まあ、無理だよね」と返し、母親が来るのを断ったという。

 男性の地元では、東京を含め県外者へのアレルギーがすごいという。

「地元の人たちは、温泉だとか飲食店だとか、県外者が来るところへは怖くて行けない状態。スーパーですら『別荘地近くのスーパーは危険』って話になってる。山にたくさんの県外者が来てる。嫁さんもこないだ、マスクもせず普通に歩いてる登山客を見掛けて、嫌な顔してた」(男性)

 聞けば「県で初の感染者が自殺した」「感染者の家は投石されたり、イタズラ電話がかかってくる」「東京ナンバーの車は傷付けられる」など真偽不明の“また聞き情報”を男性は本気で信じていた。流言飛語の類いも、県外者アレルギーに拍車をかけているようだ。

 観光客相手の施設や店はコロナ禍で収入が激減。本来ならお盆休みは稼ぎ時で、県外者が来ても追い返すわけにいかないが、感染は怖いという。

 政府の新型コロナウイルス感染症対策分科会の尾身茂会長は5日、お盆休みの帰省について、十分な感染症対策をとってほしいとした上で、対策が難しい場合は「帰省はできれば控えていただきたい」との提言を発表した。

 帰省する人や観光客はそんな本音を察し、マスク着用、大声を控える、むやみに近付かない、触らないなど、最低限の感染防止マナーは徹底すべきだろう。