もはや紙幣にも警戒が必要? 三菱UFJ銀行が27日、愛知県江南市の江南支店の接客業務を担当していた行員1人が、新型コロナウイルスに感染していると発表したことで、流通する紙幣にまで警戒が必要との声が高まっている。

 同行によると、この行員は25日に38度を超える発熱があり受診し、26日に陽性と診断された。直近の海外渡航歴はなく、濃厚接触の可能性のある他の行員10人を2週間の自宅待機とした。

 この行員は25日まで通常通り勤務しており、接客した顧客も複数いたため、同行は顧客が何人いたかなど、調査を進めるという。

 もはや、市中感染はどの業界にも広がっており、この行員がどういう経路で感染したのか不明。接客された客が心配なのはもちろんだが、銀行員だけに出回る紙幣への不安も広がっている。「厳密に言えば、お札に付いたウイルスが次に触った人に感染する可能性も今後は考えないといけないでしょう。お客さんの要望が今後高まれば、紙幣や硬貨を、中国のように消毒しなきゃいけなくなるかも」とはある銀行員だ。

 新型コロナウイルスは条件によっては2週間付着し続けるともいわれ、街全体が消毒されている中国の銀行では、紙幣を熱消毒する場面が報じられている。

 現時点では、電車のつり革や手すり、ドアノブなどを触ったら、顔を触らず、手を洗うことで感染リスクはかなり抑えられるとされている。一方で、今回の発表は、意外な利点もありそうだ。「スーパーで食材の買い物をする主婦の間では『このご時世、現金は不衛生なのでキャッシュレスにしている』という人が増えている。これまで現金主義だった高齢者も、新型コロナでは重症化しやすいといわれているため、キャッシュレス化が進みそうです」(前出の銀行員)

 なんとも皮肉なものだが、各個人が紙幣や硬貨を消毒する事態にならなければいいが…。