阿鼻叫喚だ。新型コロナウイルスが世界の株式市場を直撃した。日経平均は連休明けの25~26日の2日間で900円以上も値下がり。それまで堅調だった米ダウ市場が24日夜に一気に崩れたことが大きい。被害に遭った人の多くは個人投資家で、24日は日本市場が振り替え休日で閉まっていたため、ダウの暴落になす術なく、逃げ遅れる人が続出したという。コロナが終息するまで“下押し”は続くのか――。
「地獄のような2日間でした」
そうタメ息交じりに話すのは、出版社勤務の40代男性だ。
感染拡大する新型コロナが株式市場でも猛威を振るっている。“世界の工場”と言われる中国が震源地となったことで、景気の下振れリスクが増大。ドナルド・トランプ米大統領の“イケイケ経済政策”で堅調だった米ダウ市場は24日夜に一気に崩れた。
終値は1031ドル安の2万7960ドル。男性が体を小刻みに震わせながら語る。
「先週金曜(21日)は日経もダウも小幅安で『コロナの影響はそこまででもないのでは?』と判断してしまった。ところが24日の昼すぎにダウの先物を見たら真っ赤で、こっちは顔面蒼白になった。『やばい、売らなきゃ』と思ったが、24日は振り替え休日で日本の市場は休み。売りたくても売れない。その間もダウの先物はどんどん下がっていく…。処刑を待つ人の気分になりましたね」
そして予想通り、25日の日経市場は前日ダウのあおりを受け、前週末比781円33銭安の大暴落。そこで損切りすればいいものを男性は「日中、ダウ先物がプラス圏で推移していたから、翌日(値を)戻す」と考え、ホールドした。
ところが、ダウ先物のプラス推移は“わな”で、25日夜のダウ市場は前日に続いて879ドルの大幅安。26日の日経平均も179円22銭安の2万2426円19銭で取引を終えた。
男性は「ストレスで吐きました。結局、2日間で200万以上やられました。それまでプラスだった分も帳消しです」とガックリ。株は諦め、ビットコインなどの暗号通貨に活路を求めたが「買った途端にめちゃくちゃ下がった。株がダメな時は暗号通貨が上がるというトレンドが通用しなかった」と述べる。
男性の例は極端かもしれないが、同様に“地獄の2日間”を過ごした個人投資家は多い。一方で暴落前に空売りを仕掛けた人はぼろ儲け。それこそが市場原理で、投資は自己責任としか言いようがない。
とはいえ、“コロナ禍”が長引けば、景気は冷え込み、株式市場だけでなく、我々の生活にも甚大な影響を及ぼす。
中でも気になるのはお隣の韓国だ。中国への輸出頼みの国だけに、ウォン安に歯止めがかからず、27日0時現在1ドル=1214ウオンで取引されている。
「2008年に通貨危機が起き、国が破綻寸前になった。それを踏まえると、1ドル=1200ウオン以上は完全に危険水域。このまま(価値が)下落するようだと、通貨危機の再来で、財政破綻も現実味を帯びてくる。韓国同様、中国依存の高い東南アジア諸国も非常にマズイことになる」(韓国事情通)
一日も早くコロナの終息を願いたいが…。