新教科書“一発不合格”で「新しい歴史教科書をつくる会」が怒りの声「イチャモンとしか思えない」

2020年02月26日 16時13分

 令和3年度に採択される中学校の教科書検定をめぐり、「新しい歴史教科書をつくる会」(以下つくる会)が編集する「新しい歴史教科書」(自由社)が、異例の「一発不合格」になった。つくる会は25日、東京都内で会見を行った。

 教科書検定においては、一度不合格となっても指摘された点を修正し、再申請すれば、合格するのが通例だった。ところが、2016年、「欠陥箇所」が1ページあたり1~2か所以上あると再申請できない“一発不合格”の新制度ができた。今回、つくる会の歴史教科書の記述で「欠陥箇所」と指摘されたのは405か所(307か所以上は一発不合格になる)。

 たとえば、どのような部分が「欠陥箇所」なのだろうか。

 第1章の古代では、「仁徳天皇は古墳に祀(まつ)られている」の「祀られている」が「生徒が誤解するおそれのある表現」としてやり玉に挙がった。文科省の教科書調査官の見解では「葬られた」が正しい表現だという。

 藤岡信勝つくる会副会長は「祀ると葬るではまったく意味が変わってくる。仮に『葬る』とすれば、被葬者は果たして仁徳天皇か、という別の議論に誘導されかねない。かえって混乱を招く」と語る。

「それだけではありません。元号を説明する記述では、検定当時、新元号の発表が遅れていたため、『大化から■■まで248の元号』と、令和にあたる部分を■にせざるを得なかった。それすら『欠陥箇所』にカウントされている。こうなると、つくる会教科書潰しのためのイチャモンとしか思えない」(藤岡氏)

 同じく副会長の石原隆夫氏は、あくまで私見であると断ったうえで、「以前、文科省内で、『聖徳太子』は諡号(しごう)だから、生前の名前である厩戸皇子と記述すべきだという声が上がったとき、猛烈に反対しこれを撤回させたのは、つくる会とその賛同者です。そのときの恨みが教科書調査官にあるのではないか」と文科省を批判した。

 つくる会は今後、現行の検定制度の見直しを訴えるとともに、今回の「不合格教科書」を市販し、この問題を広く国民に問うていくつもりだという。