ドイツリーグ再開も…長谷部&鎌田コロナで明暗

2020年05月18日 16時40分

鎌田(右)は先発出場で奮闘した(ロイター)

 公式戦再開で垣間見えた新型コロナウイルス禍の影響とは――。欧州主要リーグで先陣を切ってリーグ戦の再開にこぎつけたドイツ。Eフランクフルトに所属するMF長谷部誠(36)とFW鎌田大地(23)もボルシアMG戦でプレーしたが、2人の起用法は今後の立ち位置を象徴するようなものだった。各クラブの経営難は深刻で、ベテランや高年俸選手には厳しい状況が待ち受けていそうだ。

 Eフランクフルトは強豪ボルシアMGの前に1―3と敗れたが、選手起用の面でも注目が集まった。

 中断前最後の公式戦となった欧州リーグ(EL)のバーゼル(スイス)戦、その直前のリーグ戦のレーバークーゼン戦でともにスタメンだった長谷部はベンチスタート。後半29分からの途中出場にとどまった。長期中断明けは調整も難しく、現地メディアの間でも経験豊富な長谷部のスタメンが有力視されていただけに“まさか”の扱いとなった。ここから透けて見えるのが、リーグ中断によるクラブの経営悪化だ。長谷部の契約は今季までだが1年の延長オプションが付いており、当初は残留が既定路線だった。しかし新型コロナ禍で欧州中のクラブが深刻な経営難に陥り、Eフランクフルトでもベテラン選手の契約方針を見直すもよう。36歳で厚遇を受けてきた長谷部の立場も微妙になってきており、再開初戦のスタメン落ちで厳しい現状が浮き彫りになった格好だ。

 一方で若手の鎌田はクラブも重用しており、リーグ戦で今季ここまで無得点ながら再開初戦でもスタメンに名を連ねて後半33分までプレーした。2人の対照的な起用法はクラブの現状を映し出したものと言えるだろう。

 こうした状況はEフランクフルトに限ったことではない。優勝を争うドルトムントでは、2014年ブラジルW杯でドイツ代表の優勝を決めるゴールを奪い、一躍スターとなったMFマリオ・ゲッツェ(27)の去就が注目されている。ゲッツェは今季前半こそ出場機会があったが若手の台頭もあって次第にベンチ要員に。中断期間にはドイツのテレビ局「シュポルト1」が「今夏の退団が決定的」と報道した。

 まだベテランと呼ぶほどの年齢ではないが、1000万ユーロ(約11億5000万円)と言われる高額な年俸がクラブ経営を圧迫しており、契約が切れる今季限りでの退団が濃厚。実際に再開初戦のシャルケ戦では、攻撃陣に離脱者が相次いでいるにもかかわらず、後半42分からのプレーに終わった。

 新型コロナ禍によるクラブの経営悪化で、コストパフォーマンスのいい若手が重宝される流れがしばらくは続きそうだ。