東京・三宿「六甲園」 名門・川岸牧場産「但馬牛」の塩モツ煮込み

2020年12月28日 16時00分

【写真上、左右】時々入荷する川岸牧場のホルモンを使った煮込みは、ぶっちぎりのおいしさ【写真下右】肉は但馬牛【写真下左】名物ホルモンMIX

【田辺晋太郎の肉アカデミー】Nice to MEAT you! これが2020年のラスト掲載ということで、21年に間違いなく人気になるお店をご紹介しましょう。

 そのお店は東京都世田谷区、三宿の交差点からすぐの「六甲園」です。店名からわかるように、母体となる店は兵庫県神戸市にあります。JR・六甲道駅と阪神・新在家駅の間にある50年近い歴史を誇る名店「六甲園」の支店です。

 元が神戸の店だけあって、使う肉は但馬牛。太田牧場の肉です。この肉と受け継がれたタレがおいしいのは言うまでもないとして、ここで衝撃を受けたのがモツ煮込み。2週間に一度入荷するという、川岸牧場の内臓を使った塩モツ煮込みです。

 上にトロロがかかっていて、あら珍しいなんて思いながら口に運んだら、口の中に深いコクと旨味が広がって…。むむ、これ、今まで食べたうまいモツ煮込みをぶっちぎりで上回ってるやん!なんだこれ!と驚くおいしさ。もちろんモツの臭みなどみじんもなし。

 川岸牧場はチャンピオン牛を出しまくる有名生産者で、神戸牛のセリでも高値が付くことで知られています。そこから内臓を仕入れられるのは、関東ではこのお店だけ。質の良い内臓を、和食の経験がある料理長がきちんと下処理をして良い料理に仕上げているから、これだけのものが出せるのでしょう。他店が追随できないとんでもないサイドメニューです(食べたい時は事前にお店に確認してください)。

 内臓モノでは、「名物ホルモンMIX」もオススメ。タレは生の青唐辛子を漬け込んだ酢です。このタレがホルモンを食べるのにぴったり。こんなに内臓をおいしく食べさせる焼肉屋はなかなかないですね。

 〆の品では「六甲園スープ」をぜひ頼んでください。頭と腹を取ったいりこ出汁に日本の味噌と韓国の味噌を合わせたスープは、二日酔いの日でも飲みたくなる優しいおいしさ。これを飲みにお店に寄りたくなります。コースに入っている「テール土鍋ご飯」もハンパなかったなぁ。牛テールがまるまる1個入っていて、おかわりが止まらなくなるところでした(笑い)。

 良い肉を出す焼肉店は数多あります。この店は肉が良い上に、サイドメニューが素晴らしく良い。しかも、値段もそんなに高くない。すでに人気が出始めていますが、あっという間に予約が取れない人気店になりそうです。

 ☆たなべ・しんたろう 1978年生まれ。東京都出身。2001年に「Changin’ My Life」でデビュー。03年に解散後は作曲家としてAKB48在籍時の渡辺麻友などに楽曲を提供。監修した「焼肉の教科書」シリーズは累計35万部を突破。最新著作「焼肉のすべて」が発売中。両親は歌手の田辺靖雄と九重佑三子。

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