世紀の頂上決戦を超えるか。ボクシング元5階級制覇王者フロイド・メイウェザー(45=米国)が、9月の格闘技イベント「RIZIN」で朝倉未来(29)とエキシビションマッチで対戦する。〝キック界の神童〟那須川天心(23)がK―1のエース・武尊(30)と激突する立ち技メガイベント「THE MATCH 2022」(19日、東京ドーム)を直前に控えるタイミングで、異次元の〝50億円興行〟が決まった背景を追った――。


 メイウェザーは2018年大みそかに那須川とエキシビションマッチで対戦。1ラウンド(R)2分19秒でTKO勝ちした。その後、21年2月28日に東京ドームで開催予定だった新格闘技イベント「MEGA 2021」で日本人選手との対戦が浮上したが、コロナ禍の影響で流れていた。MEGAからRIZINが契約を引き継ぐ形で、今回の一戦が決まったという。

 未来は「僕はMMAファイターなので、今後世界に名前を売るために利用させてもらいます。倒します」と予告。一方のメイウェザーは「俺は楽しみながら倒す自信がある。前回(那須川戦)は『3Rやったほうがいいの? それとも1Rのほうがいいの?』と聞いたところ『全力でやってくれ』と言われたのでやっただけ」とした上で「もし本気でやりたいなら、もう少しお金を払ってくれれば、5Rでも8Rでもやるよ」と余裕の表情を浮かべた。

 大会日時や会場、ルールは決まり次第発表される見込みだが、関係者によると東京ドームを筆頭にさいたまスーパーアリーナや、名古屋、大阪でのドーム開催案が浮上しているという。

 那須川 vs 武尊に匹敵するメガイベントとなる見込みだが、関係者は「この大会は日本の格闘界が脱地上波(放送)を鮮明にし、PPV時代の幕開けとなるだろう。地上波だったら数字(視聴率)の見込まれるボビー・オロゴンや曙といった選手が重宝されたけど、PPVでは別。だからPPVのキングともいえる朝倉未来が選ばれた」と解説する。

「THE MATCH」では、フジテレビが地上派放送を取りやめたことで波紋を呼んだばかり。未来はユーチューブの登録者数242万人を誇るインフルエンサーとして知られ、メイウェザーもインスタグラムのフォロワー数が2800万人を超える。そのため「100万件の購入数も十分ある。(1件)5000円としても、50億円に達するだろう。だからファイトマネーが高いメイウェザーを呼ぶことができる」(同関係者)という。

 2015年5月、メイウェザーが5階級制覇王者マニー・パッキャオ(フィリピン)と対戦した〝世紀の一戦〟は、PPVの購入数が過去最高となる440万件で約480億円の売り上げがあった。

 また、米「UFC」は、ホイス・グレイシー(ブラジル) vs マット・ヒューズ(米国)がメインを務めた2006年5月の「UFC60」でPPV購入数が60万件を突破し、その後は100万件を超える大会が続出。世界一の格闘技イベントにのし上がった。

 別の関係者は「箱(会場の収容人数)には限界があるけど、配信は底なしですから。那須川vs武尊は、チケット販売数では日本の格闘界で過去最高になるだろうけど、大会収益としてはメイウェザー vs 朝倉未来が超える可能性が高い」と見る。同関係者の試算でも、PPV売り上げが高い数字を叩き出せば、チケット収入とPPV収益を合わせたTHE MATCHの倍以上の収益、約50億円が期待できるという。

「日本の配信KINGと世界の配信KINGの戦いになる」いう大会は、今後のRIZINの行方を占いそうだ。