自民党の総裁選が29日投開票され、河野太郎行革相(58)は決選投票で岸田文雄前政調会長(64)に敗れ、新総裁の座を逃した。地方票ではリードしたものの議員票では大きく水をあけられた。党内では「やっぱり小石河連合が…」と悲嘆の声も出た。

 1回目の投票では岸田氏が議員票146票、党員票で110票だったのに対し、河野氏は議員票86票、党員票で169票。党員票では59票もリードし、地方、党員、党友からの〝国民的人気〟を集めたが、議員票の支持は伸びないまま。決選投票でも涙をのんだ。

〝変人〟と評される河野氏は長老、ベテラン勢から「何をしでかすかわからない。年配議員は冷や飯を食わされる」と警戒された。さらに河野氏を援護したのが小泉進次郎環境相(40)と石破茂元幹事長(64)の2人。〝小石河連合(小泉・石破・河野)〟を結成したが、「変わり者が3人集まって、より何をしでかすかわからない」と当初の勢いはなくなり、支持も頭打ちとなった。

 総裁選直前に行われた決起集会でも〝敗戦ムード〟が事前に伝わり、出席した議員は数十人にとどまった。

「勝つぞーコール」の音頭を取った小泉氏は「いろんな事情で『河野さんだよ』『河野さん頑張れ』と声をあげられない議員が1人、2人ではなかった。あげられなかった声があがることを信じて、最後まで必勝を期したい」と挨拶した。大手を振って応援できない議員がいることが、河野陣営の苦しい事情を物語っていた。