真夏の夜空を彩る「ペルセウス座流星群」が、11日夜から見頃を迎えている。国立天文台によるとピークは13日未明で、今年は月明かりがないなど8年ぶりに好条件が重なり、観測には絶好の機会。1時間に50個ほどの流れ星を見られる可能性もあるという。一方、UFOマニアの間では不穏なうわさが流れている。しかも、そのうわさの発信源がタイムトラベラーだというからハチャメチャだ。

流星群は午後9時ごろから見え始め、明け方にかけて数が増える。ペルセウス座近くの「放射点」から四方八方に流れ、国立天文台は「なるべく空の広い範囲を見渡してほしい」と呼び掛ける。

 流れ星は、宇宙を漂うちりが地球の大気に猛スピードで飛び込み、高温になって光を放つ現象。ペルセウス座流星群は、かつて彗星がまき散らしたちりの帯を地球が通り過ぎることで起こる。冬の「しぶんぎ座流星群」「ふたご座流星群」と並び、三大流星群と呼ばれている。

 このペルセウス座流星群の到来を前に、先日、2714年から来たという自称タイムトラベラーが「ペルセウス座流星群の時期に宇宙人の船が地球に着陸する」と主張する動画をSNSで発信して注目を集めていた。UFOマニアの間で大きな話題となり、英紙「デーリー・エクスプレス」などが報じて騒動が拡大している。

 動画SNSのティックトックで「エセティック・タイムワーパー(美的時間跳躍者)」というアカウントを開設している人物が、顔こそ出していないが、語りと字幕でこう記している。

「私は2714年から来た本物のタイムトラベラーです。8月11日には驚くべきことが起こります。非常に大きな流星群が北半球で見られますが、その中に2025年から始まるノージック戦争という宇宙戦争の準備のために地球に着陸する宇宙船が交じっているのです」

 流星群に紛れて宇宙船がやってくるというのだ。荒唐無稽な内容だが、ペルセウス座流星群が来ることは確実。夜空を眺めて、この不気味な予言を思い起こしてしまう人もいるだろう。

 これに対し、オカルト評論家の山口敏太郎氏は「流星群の流れ星の一つが宇宙船であり、そのまま地球に降りてくるというのは夢のある話です。宇宙人は流星群の中から流星を見物したいのでしょう」と語る。

 その上で「未来からのタイムトラベラーがティックトックを使うというのは今風でユニークな設定です。私は宇宙船が着陸という予言を信じていませんが、米情報機関を統括する国家情報長官室が6月にUFOに関する報告書を公表した後なので、まんざらうそとも言えず、なかなか凝っている設定です」と指摘する。

 気になるのは“宇宙戦争”という部分だ。山口氏は「ノージック戦争とは人類対宇宙人の戦争のようです。やってくるのが正義の宇宙人で、裏で人類を搾取する存在と戦うのか、それとも悪の宇宙人と“地球防衛軍”が戦うのか…注目したいですね」と話している。