将棋の第70期王将挑戦者決定リーグ戦2回戦の豊島将之竜王(30)と藤井聡太2冠(18)の対局が5日、大阪の関西将棋会館で行われ、171手で豊島竜王が激戦を制した。

 将棋は終盤、藤井2冠が鋭い攻めを見せ、AI評価は勝勢となった。ところが、最後の寄せで藤井2冠に思わぬミスが出て、形勢不明に。

 一分将棋に入ると、2転3転。ジエットコースターのように目まぐるしく形成が動いたが、最後は豊島竜王が冷静にチャンスをモノにし、大逆転勝利を飾った。
 
 藤井2冠にとっては、勝利をほぼ手中にしていた将棋。これだけの逆転負けを喫したのは初めではないか。解説の豊川孝弘七段も「鼻血ブー、高木ブーの将棋」と評していたが、敗れたショックは大きいだろう。対局後「実力が足りなかったのかなと思う」と首をひねった。

 これで豊島竜王には公式戦6連敗といまだに勝ちなし。藤井2冠にとっては大きな壁となって立ちふさがった。またプロデビュー後初の3連敗。2冠を手にした後は厳しい包囲網が待ち受けていたようだ。

 王将戦の挑戦権獲得は難しくなったが「厳しいスコアになったが、次は良い将棋を指したい」と前を向いていた。