高校生棋士の藤井聡太七段(17)の大好きな「勝負メシ」のお味は? 将棋ファンの間ではすでに有名だったが、あの藤井七段が食べたことで、一般にも知れ渡った東京・千駄ヶ谷にあるそば屋「ほそ島や」に、ロックバンド「DIR EN GREY」のリーダー・薫と本紙記者が迫った。同店によれば「藤井先生が食べたご飯は注文が殺到します」。ここでも藤井フィーバーが止まらない――。

 藤井七段は9日午前9時から東京・千代田区の都市センターホテルで、渡辺明棋聖(36)との第91期棋聖戦5番勝負の第3局で偉業に挑戦。第2局を終え、藤井七段が2連勝し、最年少タイトル獲得にあと1勝なのは周知の通りだ。

 最も若いタイトル獲得は1990年、屋敷伸之九段(48)の18歳6か月。第3局で藤井七段が勝てば、17歳11か月の最年少記録を達成する。

 渡辺棋聖は棋王と王将を合わせ、3冠を持つトップ棋士。強者を相手に藤井七段は見事な指し回しで悲願達成に迫っている。第2局の立会人を務めた屋敷九段は終局後「落ち着いていて、自然体で指している。記録更新は現実味を帯びてきた」と話した。棋聖戦5番勝負は持ち時間各4時間で、9日夜に決着がつく見込みだ。

 そうした中で行われた今回の取材は、薫がMCを務めるネット配信ラジオ番組「The Freedom of Expression」に出演する音楽ライターのジョー横溝氏が10年来の店のファンで、店主とも顔なじみだったことから実現した。

 同店は将棋ファンの“聖地”である東京・将棋会館から歩いて5分ほどの場所にあり、対局中の棋士が昼食によく出前を取る。将棋ファンの間では有名店だが、一般の人たちに知られるようになったのは、藤井七段の存在が絶大なことが寄与したのは言うまでもない。

「藤井さんがチャーシュー麺を頼まれた時があって、その翌日には注文が殺到しました。昼過ぎにはすぐにスープがなくなっちゃいました」(店主)

 また藤井七段が中学生の時、五段昇段がかかった対局で、昼食休憩の“勝負メシ”として注文したのが「カツカレー&生卵」だ。

 そこで今回、薫が実食したのが、同店の1番人気という「中華そば&半カレー」セット。これなら藤井七段が味わった中華そばとカレー、2つのメニューを一気に楽しむことができる。

 薫は中華そばに「いやこれは…。めちゃめちゃうまいです。このスープは? 鶏と豚でスープを取ってるんですか。食が止まらないですね」と舌鼓を打った。

 藤井七段が食べた「カツカレー&生卵」は、本紙記者がいただいた。シンプルながらダシの優しい甘みがとてもおいしく、毎日食べても飽きない味わい。そのうえかなりのボリュームで、食べ応えもある。そこに生卵が加わることで、栄養もたっぷりだ。

「このカツカレーも、藤井さんが注文された翌日は、普段の倍ぐらいの数が出ましたね。すぐにストックがなくなってしまいましたよ」(同)

 すでに「ほそ島や」は将棋ファンにとって“聖地巡礼の地”ともいうべき、観光名所のような存在になっている。

「特に週末が多いですね。将棋会館に行かれて、その後、ご飯を食べていかれる方が多いです」(同店店員)

 藤井七段の勝負メシを食べて「勝ち運」をつけるのもいいかも? なおこの模様は「The Freedom of Expression」で後日配信される予定だ。