目下2年連続で視聴率3冠王の日本テレビが、人気女優・杏(29)のオメデタに青ざめているという。夫で俳優の東出昌大(28)との間にできた双子の妊娠を所属事務所が先月発表。産休に入ることで、日テレは予定されていた主演の人気ドラマシリーズの制作が先送りされかねない事態に直面した。ヒロイン不在の穴を埋めるべく、同局では奇策も浮上している。

 2013年度下半期に放送されヒットしたNHK連続テレビ小説「ごちそうさん」で人気を高めた杏は、共演者の東出と15年元日に入籍。オメデタの発表はちょうど1年後、しかも第1、2子を同時に授かるというものだった。出産は初夏といわれ、産休明けの女優復帰は早くても秋になりそうだ。

 ファンも「杏ちゃんをしばらく見られなくなるのはさみしいけどおめでとう」などと祝福。2人の周辺も大喜びしているが、唯一、頭を抱えているのが日テレだという。

「実は7月から『花咲舞が黙ってない』のシーズン3を放送する予定だった。ヒロインの杏が急きょ、出演できなくなってしまったからには、ドラマ自体を延期するしかなくなったのです」(日テレ関係者)

 杏は妊娠を発表する前に「星ガ丘ワンダーランド」(3月5日公開)と「オケ老人!」(今秋公開)の映画2作品を撮影済み。「その後は新たな仕事は全て断っている」(関係者)という。

 3年連続の3冠王を狙う日テレとしては「花咲――」の制作・放送が延びるのはかなり手痛い。14年4月期の第1シーズンは関東地区で全話平均16・0%、15年7月期の第2シーズンは同14・5%と、手堅く数字を稼いできたからだ。

「バラエティーやスポーツ番組が好調な同局にとって、唯一のアキレス腱がドラマコンテンツ。そんな中にあって杏の『花咲――』だけが高視聴率が取れるお宝。コンスタントに12~15%が見込めますから。それが夏の正念場に放送できないとなれば、視聴率3冠王も危うい」(制作関係者)

 そこで日テレ内では奇策とも言うべき、苦肉の策を考え出した。

「スピンオフですよ。タイトルはそのままで、杏扮する花咲舞は海外出張中という設定にして、電話シーンなどで声だけの出演とする。そして上司役の相馬健を演じる上川隆也を主役にするというもの。池井戸潤さんの原作がしっかりしているから大丈夫という判断もあるようです」(別のドラマ関係者)

 本編から派生したスピンオフ作品は、ヒットドラマや映画などで珍しくない。人気シリーズ「踊る大捜査線」(フジテレビ系)ではユースケ・サンタマリア(44)が主演の映画「交渉人 真下正義」など、「相棒」(テレビ朝日系)からは同「鑑識・米沢守の事件簿」が生まれている。

 上川は昨年10月期の日テレ系深夜ドラマ「エンジェル・ハート」で好演。深夜帯ながら全話平均9・3%の視聴率を残しており「花咲――」のスピンオフ主演も成功する可能性を秘めている。

 日テレは目標視聴率を15%に設定しているというが、杏不在の強行策は日の目を見るのか。