警視庁組対5課が狙う薬物芸能人は「紅白出場歌姫」

2019年03月27日 11時00分

NHKの社屋

 ミュージシャン兼俳優のピエール瀧容疑者(51)の逮捕をきっかけに、「マトリVS組対5課」のバトルが繰り広げられそうだ。大金星を挙げたのは“マトリ”こと関東信越厚生局麻薬取締部で、2度の失敗を乗り越えての「3度目の正直」だった。こうなると負けていられないのが、警視庁で薬物事犯を扱う組織犯罪対策第5課だ。マトリが瀧容疑者の内偵を開始した昨秋、組対5課はNHK紅白歌合戦に出場経験もある歌姫Xを捜査していたことが、本紙の取材でわかった。激震は収まりそうもない――。

 瀧容疑者の逮捕で沸き返ったのがマトリだ。今月12日の夕方、仕事先から東京・世田谷区の自宅に戻った瀧容疑者を任意同行させ、その後の尿検査でコカインの陽性反応が出たのは周知の通り。

 コカインの成分は使用後24時間程度で消えてしまうが、入念な行動確認の末に「このタイミングなら(陽性反応が)出る!」と確信を持って動いた結果の逮捕だった。

 瀧容疑者の自宅からはコカイン吸引のために使用した韓国紙幣と、乾燥大麻を吸う際に使うたばこの巻き紙数十枚を押収。瀧容疑者は「自宅とは別に借りているマンションでコカインを吸った」と供述している。当局は瀧容疑者以外に出入りしていた人物がいないかどうかも調べている。

「昨秋から行動確認をしていたマトリにしてみれば、あとは答え合わせみたいなもの。瀧容疑者は完オチしていて、入手先やほかの“ジャンキー芸能人”についても供述している。今回こそ芋づる式があるかもしれない」(関係者)

 19日には瀧容疑者にコカインを譲り渡した疑いで通訳業の田坂真樹容疑者(48)が逮捕された。夫は瀧容疑者のバンド「電気グルーヴ」と関係の深いDJ TASAKAで、いよいよ薬物汚染の全容が暴かれようとしている。

 今回の逮捕劇は、マトリにとっては「3度目の正直」でもあった。昨春、著名人の息子と有名俳優の逮捕に向けて動いたが、決定的な証拠が出なかった。舞台裏を知る人物によれば「前者は任意で聴取したが、シロ。後者は関係先を捜索したが、肝心のブツが出てこなかった」という。

 物証を押さえられなかった有名俳優は、日本アカデミー賞で最優秀主演男優賞に輝いた人物で、昨年8月に本紙が1面で詳報している。

 もう失敗は許されない――。瀧容疑者の逮捕はマトリの執念が結実したと言える。

 こうなると負けていられないのが、薬物事犯を扱う組対5課だ。マトリが厚労省管轄なのに対し、組対5課は警視庁。2014年の歌手ASKA(61)、16年の元プロ野球選手・清原和博氏(51)の覚醒剤事件を手掛けたのも同課だ。

 両者はともに「薬物撲滅」を掲げ、切磋琢磨するライバルでもある。警察関係者の話。

「瀧容疑者のニュースで薬物を常用している芸能人は、しばらくおとなしくするだろう。そうなると、組対5課の捜査も小休止せざるを得ない。瀧容疑者と同じルートで某コワモテ俳優を狙っていたが、そちらもやりづらくなってしまった」

 さらにショックだったのは、マトリが瀧容疑者の内偵を開始した昨秋、組対5課も大物の逮捕を狙って動きだしていたことだ。そのターゲットはNHK紅白歌合戦の“常連”だった歌姫。代表曲はカラオケランキング上位の常連で、女性を中心に幅広い層から支持されている。

「ここ数年、支離滅裂なことを言いだすようになったとか。外見や雰囲気も変わったように見える。六本木かいわいの薬物ルートを捜査していたところ、彼女の名前が出てきたそうだ。私生活では一緒にいた男性と別れたが、原因は男性側が彼女の挙動に異変を感じたからと言われている。昨年末、情報を聞きつけた一部メディアが自宅を割り出し、来るべき日に備えて隠し撮りしていた」とはテレビ関係者。

 歌姫はこれまで薬物のウワサはなく、仮に摘発されれば、瀧容疑者以上のインパクトを与えることは必至だ。

 前出警察関係者は「マトリが金星を挙げたことで、組対5課も“返し”をしなければ面目が立たなくなっている。この歌姫でいくのか、別の著名人に切り替えるのか。薬物情報が入ってくる生活安全課マターでは、かねて疑惑のある大物男性ミュージシャンや、奇行がたびたび目撃されている主演級女優の名前も挙がっている」と明かす。

 東京五輪を来年に控え、過去最高レベルで“薬物芸能人”が当局から狙われていることだけは間違いない。