【イケメンドクター・吉田眞の医学情報のウソ!ホント?】

「水虫」は皮膚に寄生した白癬菌(はくせんきん)というカビの感染症で、カビの除去剤の多くは〝塩素系洗剤〟と呼ばれる洗剤です。これは「界面活性剤」と「水酸化ナトリウム」「次亜塩素酸」の混合溶液で、界面活性剤には脂分を取り除く効果、水酸化ナトリウムはタンパク質の分解、次亜塩素酸は強力な還元作用で生物の細胞を破壊する効果があります。

 つまり、塩素系洗剤は人体の皮膚を溶かすと同時に、周辺に巣食うカビや細菌も一挙に殺せるわけです。一般の抗真菌薬には皮膚の溶解作用はないので、厚く硬くなった皮膚や爪の中にいる白癬菌には、塩素系洗剤の方が治療効果があるとさえ言えます。

 とはいえ、塩素系洗剤が危険な薬剤。抗真菌薬は健康な皮膚を害することはありませんが、塩素系洗剤は皮膚全体を溶かし、ただれさせます。皮がむけた水虫、ジュクジュクした水虫に使えば激痛が走るでしょう。失明や有毒ガスの危険性もあるので、決して水虫には使用しないでください。

☆よしだ・しん=内科・外科をともに扱う総合診療科医を経て、現在は精神科医。非常勤医師として、刑務所、少年院、ホームレス支援施設、高齢者の在宅診察などに従事し、精神医療のディープな部分につかる。