まさに大阪の悪夢だ。日本代表がカタールW杯アジア最終予選の初戦オマーン戦(2日、吹田)で0―1とまさかの敗戦を喫し、7大会連続のW杯出場へ向けていきなり窮地に立たされた。FIFAランキング24位の日本は自慢の攻撃陣がまったく機能せず、同79位で格下のオマーンにホームで完敗する大失態。今後は森保一監督(53)の解任論が一気に高まり、W杯最終予選中国戦(7日=日本時間8日、カタール)の結果次第で進退問題に発展する雲行きだ。

 日本はW杯予選7試合連続ゴール中のMF南野拓実(リバプール)が左太ももの負傷でベンチスタートになると、攻撃陣がなかなか決定機をつくれない。有観客開催でホームの声援を受けるも、時間の経過とともに格下オマーンに鋭いカウンターから攻め込まれる場面が増えてくる。そして土壇場の後半43分、ついに悲劇が起きた。

 日本はカウンターで左サイドを突破されると、FWサビに先制ゴールを許した。後半途中から投入したMF堂安律(PSVアイントホーフェン)、MF久保建英(マジョルカ)の東京五輪代表エースコンビもゴールを奪えず試合終了を迎えた。

 日本は後半6分にもゴール前のピンチでDF長友佑都の左腕に相手のクロスが当たってPK判定を受けた。結果的にビデオ・アシスタント・レフェリー(VAR)で判定が覆ったものの、大ピンチがたびたびあり、内容的にも格下相手に「完敗」だった。試合後、主将のDF吉田麻也(サンプドリア)は「負けるべくして負けた。テンポもコンビネーションもよくなかった」と声を震わせ、長友も「ありえない敗戦と思う」と険しい表情で語った。

 日本サッカー協会の田嶋幸三会長は「最終予選10試合のうちの1試合。気持ちを切り替えて残りの9試合でカバーしていかなければならない」と今後の巻き返しに期待を寄せたが、最終予選初戦、しかもホームで喫した黒星だけに今後は森保監督の解任論が高まってきそうだ。

 Jクラブ強化担当者からは「簡単には立て直せないのではないか。そもそも選手の招集においても、選手のコンディションの見極めや、国内組の層を厚くしておくなど、やれることをできていたのか」と森保監督の手腕を疑問視する声が噴出している。2019年12月の東アジアE―1選手権で日韓戦に敗れ、その翌月のU―23アジア選手権では1次リーグ敗退の失態を犯した指揮官への批判はくすぶってきたが、今回の敗戦で一気に再燃した。

 また、以前に協会の技術委員を務めた経験のある関係者は「連敗したら協会は動かざるをえないだろう」と解任の可能性を指摘。日本がW杯に出場した過去の最終予選で連敗を喫したことはなく、次戦の中国戦の結果次第で森保監督が更迭される〝クビ切りマッチ〟になりそうだ。

 いきなり解任の〝マジック1〟と崖っ縁に追い込まれた森保監督は「海外組が多い中、試合に向けても全体練習は1度できただけだった。これを言い訳にするつもりはない。今日の敗戦からしっかり修正して勝利に結びつける」と言葉を振り絞った。チーム状況は最悪の中、南野の負傷に加えて、不動のレギュラーのDF酒井宏樹(浦和)もオーバーワークを考慮して離脱が決定した。森保ジャパンは発足以来最大の危機を乗り越えられるのか。