【女子ボートレーサーインタビュー 寺田夢生(24=福岡)】

 ――選手になったきっかけは

 寺田 就活と136期募集のタイミングが重なってて、ボートの方が1か月早かったんです。ダメだったら就活しようと思って受けたら、1回目で受かりました。父には1度、軽く言ったら反対されてたので内緒でした。1次試験を受かってサプライズで言いました。受かってなかったら、何してたんでしょうね。やりたいことは他にありませんでした。

 ――父はSG覇者の寺田祥選手。妹の寺田空詩選手も129期のボートレーサー。ボートレースは子供の頃から身近な存在だった

 寺田 空詩が選手になるまでボート自体を見たこともなくて、興味もなかったです。父が選手というのは知ってたけど、父がどこを走ってるとかも知らなかった。父は家に仕事のことを持ち込まなかった。どこにレース場があるとかも知りませんでした。芦屋ボートも福岡じゃなくて、神戸の方だと思っていました。何であんないいところにレース場があるんだろうって…(笑い)。

 ――レース場にも行ったことがなかった

 寺田 高校生くらいの時、下関に花火を見に行こうって父を迎えに行ったんですよ。その時に母だけがすごく緊張してたんです。それが父が下関のSGメモリアル1号艇で優勝した時でした。(2020年8月)。その時はすごいな、カッコいいなくらいだったけど、ボートレーサー養成所に入ったくらいに初めて「ああ、あの時」って点と点が線でつながりました。選手になってから父のすごさを実感してます。

 ――お父さんが家にいないことが多かった。小さい頃は寂しかったのでは

 寺田 周りにもよく聞かれるんですけど、全然です。父はレースが終わったら小マメに帰ってきていました。寂しいとか感じたことはなかったです。小さい頃はよく旅行に連れて行ってくれました。

 ――空詩さんの存在は

 寺田 空詩がいなかったら選手になってなかった。最初は父が言ってることが理解できなくて、空詩が間に入って通訳みたいに分かりやすく教えてもらいました。まだ理解できないことも全然あるんですけど。

寺田夢生(中)の父・寺田祥(左)、と妹・寺田空詩
寺田夢生(中)の父・寺田祥(左)、と妹・寺田空詩

 ――山口支部は

 寺田 優しい人が多くて山口支部が好きです。私は山口支部から絶対に出たくない。小さい頃は大峯豊さん、前野竜一さん、原田篤志さんとかはよく家に来て遊んでくれてました。

 ――師匠は井本昌也選手

 寺田 今年4月くらいに、練習のタイミングが一緒になった時にお願いしました。父も井本さんがいいいんじゃないか、と言ってました。教え方が分かりやすくて「思い切ったレースをしつつ、着を取れるレースをしろ」と言われます。井本さんはレーススタイルがカッコいいし、憧れの選手です。

 ――ボートレーサー養成所時代の思い出は

 寺田 空詩から聞いてた時はもっとヤバいと思ってたので、意外と楽でした。想像が最悪だったので…。たぶん過ごしやすいと思います。走るのが苦手なんですけど、ランニングとかもあまりなかったような…。思い出らしい思い出もなくて、気付いたら1年たってたという感じです。そこまで苦しくなかったんでしょう。もう1回といったら無理だけど…。山崎昭生教官にはお世話になりました。

 ――2025年5月19日に徳山でデビューしてから、1年5か月が経過

 寺田 レースに全然参加できていない。1年、たつのが早かったですね。

 ――今の課題は

 寺田 差しとかまくり差しとかできる選択肢が少ない。いつも「これ」と決めて行ってレースの幅がせばまっている。1Mも道中も、できることを増やしたい。まだ、そうせざるを得ない状態で走っている。余裕を持ってレースをできるようになりたいです。

 ――スタートに関しては

 寺田 期初めにFを切って…。絶対に切っちゃダメですね。いいエンジンを引いて、ワンチャンあると思いつつも切っちゃダメ。コケてもダメ。事故点が付いたら思い切ったレースができてない。それを今期に体験しました。

 ――ペラ調整は

 寺田 ペラはまだ、あまり分かってないです。井本さんからは「自分でいろいろ試してやれ」と言われます。思い切って真逆にしたりもします。足よりも乗り心地を重視しています。早く自分の好きな形を知りたいです。

 ――練習では

 寺田 練習はコケても大丈夫なんで、思い切って回れるようにしてます。乗る方が多いけど、時間があればペラを叩くようにしてます。徳山も下関も練習があって、自分のレースが入ってない時は全部行ってます。井本さんも来てくださって、一緒に2艇練習とかしてます。

 ――コースは

 寺田 まだ4、5、6コースです。しばらくは外からレースを覚えたい。まだ得意なコースはないけど、握って回れる5コースが好き。井本さんにも話してないし、いつ内に入るかは決めてないです。

 ――近い将来の目標

 寺田 水神祭を挙げられなくてもいいんで、安定した着を取ってB1に上がりたいです。もうちょっといい枠の番組をもらえるかなとも思うんで…。今は4、5枠もあまり走れてないし…。

 ――大きな目標は

 寺田 デビュー時点で23歳。あまり時間がないけど、ヤングダービーに出たいです。もちろんA1にもなりたいです。

ペラ調整に汗を流す寺田夢生
ペラ調整に汗を流す寺田夢生

 ――どんな選手に

 寺田 見てて面白いと思ってもらえるレースができるような選手になりたいです。まだレーススタイルはないけど、長く選手を続けたいなって思ってます。

 ――性格は

 寺田 感情の起伏は激しくはないかな。うれしいとか、落ち込むとかはそんなにないです。空詩は明るくて社交的なタイプ。友達がいっぱいいて私はあまりいないので、うらやましい。私はおとなしめの父と似たタイプです。

 ――スポーツ経験は

 寺田 スポーツではないけど、小3~中3までクラシックバレーをやってました。体を痛めにくいとかはボートに生きてるんですかね。習字、英会話、水泳、ピアノ、バイオリンもやってました。好きなことばかりして、やりたいことを存分にやらせてもらいました。

 ――学歴は

 寺田 立命館大学経営学部です。実は、まだ卒業できてなくて4回生。4、5個単位が足りてなくて…。時間がなくて通えてないんです。今は練習に行きたいので…。卒業はしたいけど、どうしようかなと…。

 ――趣味は

 寺田 休みは練習メインなんで行けてないけど、海外旅行が好きでした。近場だと韓国、台湾、タイ、グアムとか行きました。1か月くらいショートステイでイタリア、マルタ、カナダにも1人で行ったことがあります。

 ――ハマってることは

 寺田 グミを買うことです。コンビニ、ドンキとか雑貨屋で袋詰めを買います。食べたことないのを見つけたら買ってます。ガチャも家族みんな好きだけど、空詩がどこかのインタビューで言ってたんで…(笑い)。