お笑いタレントの神奈月(60)が7日から「神奈月ソロライブツアー~ものまねLOVE2026 in大阪・名古屋・東京~」をスタートさせる。ものまねの半数が新ネタという意欲的な公演だ。武藤敬司ら十八番の有名人が第一線から離れていく中、ものまねレジェンドとしての哲学を聞いた。

 毎年恒例となりつつある、一年を締めくくるライブツアーだ。今年は7日の大阪・イエスシアターを皮切りに、15日の名古屋・東別院テラスホール、21~22日の東京・日経ホールを回って爆笑を届ける。

 ものまねする著名人の数は総勢60人に達する見込み。なんとそのうち半数は初披露の新ネタだという。「芸能界から政治の世界まで、今年やっちゃった人を総ざらいしましょうっていうところですね。似てなくてもやっちゃいます」とアピールした。

 還暦を記念した昨年の東京公演には、十八番としている元プロレスラーの武藤敬司がサプライズで登場。後楽園ホールをほうふつとさせる大歓声が巻き起こった。
「お客さんはそれまで2時間くらいずっと偽物だけ見せられてたんですよ。その後本物が出てきたもんだから『すげえ! 神様が出てきちゃった』みたいな感じになってましたね」と振り返り、「実際は引退した、ヒザの悪いプロレスラーが出てきただけなのにね。本当にすごい方ですよ」とイジリながら当時の感動をかみ締めた。
 武藤に長州力、元巨人軍監督の原辰徳氏など大物のものまねを続けてきた。再現性よりも笑いを優先するスタイルだが、意外にもクレームを入れられることは少ない。
「怒られたことはあんまりないですかね。長州さんも僕に対して『お前、もうそれやめろ』とか言うんですけど、たぶん本気では言ってないと思うんですよ。言い方がちょっと怖いからビビりますけどね」と苦笑いを浮かべた。
 神奈月流の爆笑ものまねを届けるために、心がけていることがある。ものまねする本人と親密になりすぎないことだ。
「仲良くなりすぎちゃうと、ネタ中に言えないセリフとかが出てきちゃう。武藤さんも当時親しすぎなかったから『ヒザが悪くて~』とか言えたんですよ。本人に気を使い始めちゃったら、もう見る人も面白がれないと思うんですよね。壁があるぐらいの方がこっちもネタにしやすい。『こんなこと言いそうだ、やりそうだ』でネタを作って、『怒られたら、まあ謝っときゃいいや』ぐらいの感覚が一番いいんじゃないかなと思うんです」
 もちろん、好き放題やる許可がもらえるならそれに越したことはない。今年の春には、いきつけのゴルフ場でプライベートの原氏と遭遇した。
「原さんがティーショットを打った後に『いいよ、ものまねやって』と言ってくれたんですよ。これはありがたいよ。ご本人が言ってくれてますからね」
 武藤をはじめ、十八番のレジェンドたちが年を重ね、第一線から退いていっているのも事実だが、彼らのものまねをすることで「全盛期の姿を見る人の記憶にとどめておける」と意義を見いだしている。武藤や原氏を知らない世代が出てきても「動きや言ってることが面白くて、こういう人がいるんだって笑ってくれればそれでいいのかな」。
 時代の移り変わりは受け入れるが、どうしても“勘弁してほしい”ことがある。
「ものまねする人がみんな政治家にはなったら困りますね。(元プロレスラーで前石川県知事の)馳浩さんが選挙に出た時、公平性を損なうからとメディアで馳さんのものまね禁止になったんですよ。だから皆さんには、政治家転身だけは避けてほしいです」と笑った。