パ・リーグ覇者のソフトバンクは16日の日本ハムとのCSファイナルステージ第3戦(みずほペイペイ)に6―2の逆転勝ちを収めて3連勝。アドバンテージ2勝を含む通算5勝0敗で日本シリーズ進出を決めた。柳田悠岐外野手(38)が今ステージ開幕前に慢性的な首痛を再発させてCS不在危機に直面したが、劇的な回復を遂げて第2戦からスタメン復帰。チームへの影響力が大きい精神的支柱を欠く事態を最小限にとどめた裏には、鷹ナイン御用達の「名医」の存在があった。

 王者の風格たっぷりに全勝突破を決めた。1―2で迎えた5回に正木の逆転2ランで主導権を奪い返すと終盤にかけて効果的に追加点を奪い、盤石のリリーフ陣がリードを守り切った。2試合連続でスタメン出場した柳田は安打を放つなど、24日に開幕する日本シリーズに向けて〝全快〟をアピールした。

 最短突破での日本シリーズ進出に、柳田は満面の笑みで感謝とリスペクトを込めた。「名医です」。今ステージ開幕前に持病の首痛が再発した。一度発症すると痛みが引くまで時間を要し、一定期間の欠場を余儀なくされる。責任感の強い男は、人知れず大きな不安を抱えていたに違いない。

 患部の違和感が徐々に痛みに変わっていったのは、くしくも今月9日の誕生日だった。突然の再発に「名医」の顔が浮かんだが、あいにく連休を挟み、関西を拠点とする〝行列のできる専門医〟の治療が受けられたのはCSファイナル前日の13日のことだった。その間、応急処置で1発目の注射を試みたが、結果は不発。それだけに、今回も〝神の手〟が柳田とチームの危機を救っていた。

 柳田は春先にも首痛を繰り返し発症していた。その時のピンチを救ったのも、同じ名医。目を見張る急回復にチーム内では「奇跡的」と話題になった。柳田の首痛は、いつ顔をのぞかせるか分からない恒常的問題。春以降、レギュラーシーズン中に一度も再発しなかったことも「名医による注射の効能」という声がもっぱらだ。

 今回はさらに奇跡的な急回復だった。注射を打ってなじむまで2日程度かかるとみられていたが、翌日には痛みがほぼ消えた状態に。小久保監督が「注射が劇的に効いた」と目を丸くしたように、柳田の「CS不在」を覚悟していた首脳陣、チームスタッフの驚きようは尋常ではなかった。

「ただ打つだけじゃない。人が変われば、打ち方も変わる。まさに名医」(チームスタッフ)。過去には近藤や小久保監督らの手術も担当した医師。欠場は初戦のみで、第2戦から戦列復帰できたことは日本シリーズに向けて意義深かった。

 常勝軍団を支える〝ゴッドハンド〟。スポットライトを浴びる存在は、グラウンドの外にもいる。