鷹に不思議の勝ちあり。ソフトバンクは14日の日本ハムとのクライマックスシリーズ(CS)ファイナルステージ第1戦(みずほペイペイ)に6―4で逆転勝ちを収め、対戦成績をアドバンテージの2勝を含む通算3勝0敗とした。チームの絶対エースである先発のモイネロが2024年の先発転向後、最短となる3回途中3失点でノックアウト。まさかの展開に一時は不穏な空気も流れたが、4回に相手のミスにつけ込み、一挙5得点で逆転に成功。そのリードを守り切った。
シリーズ開幕前から初戦を「何より大事」と強調していた小久保裕紀監督(55)。それだけに、勝利をかみしめているかと思いきや、試合後の取材対応で飛び出した〝言い間違い〟には、指揮官の本音がにじんでみえた。「このシリーズはとにかく勝てばいい。個人の反省は次に向けて、当然調整はしないといけないですけど、あんまりこの敗戦…敗戦じゃないか。振り返るのはあんまり意味がないので」。
白星をつかんだにもかかわらず、思わず口をついたのは「敗戦」だった。初戦を託したモイネロは6安打4四死球と乱調。逆転劇も相手のミスに助けられた側面が大きく、5回以降は無得点に終わった。バント失敗など攻撃陣にミスも見受けられた。
「勝ちに不思議の勝ちあり、負けに不思議の負けなし」。この日の試合内容は、指揮官の目にも〝前者〟と映ったとして不思議ではない。レギュラーシーズンで圧倒的な強さを示したホークスが、逆転勝利で幸先のいいスタートを切ったことは確か。それでも小久保監督の中には「勝って兜(かぶと)の緒を締めよ」の精神が内在していたに違いない。試合直後のワンシーンにその一端が垣間見えた。
「敗戦」というワードはチームを引き締める警鐘にもなる。日本シリーズ進出まであと2勝。このまま気を緩めることなく日本ハムを封じ込め、決戦の舞台へコマを進めたいところだ。












