元女性マネジャーらに暴力をふるったとして、2件の暴行罪に問われたタレントのデヴィ夫人こと、ラトナ・サリ・デヴィ・スカルノ被告(86)が6日、東京地裁で検察側の求刑通り罰金20万円の有罪判決を言い渡された。

 起訴状などによると、デヴィ被告は2025年2月13日、都内の飲食店で元女性秘書Aさんにおしぼりやシャンパングラスを投げ付け、同年10月28日に都内の動物病院で元女性マネジャーBさんを殴ったり蹴ったりしたとされた。デヴィ被告は起訴内容をおおむね認める姿勢を示したが、シャンパングラスの投げ付けなどは否認していた。

 地裁はこの日、Aさん、Bさんへの暴行をともに認定。「被告の供述は裏付けがなく、あいまいで信用できない」と採用せず「被害者の処罰感情は無理もない」と寄り添った。

 デヴィ被告は判決を静かにうなずきながら聞いた。退廷する前には担当弁護士に小声で詰め寄るシーンがあったが、何を言ったのかは傍聴席からは確認できなかった。

 担当弁護士は閉廷後、記者団の取材に対し、控訴の意向について「ノーコメント」と明かさなかった。

 デヴィ被告は控訴するか? 控訴したとしても勝ち目はあるのか?

 アディーレ法律事務所の大垣優希弁護士は「控訴審において、判決がデヴィ夫人に有利な方向へ変更される可能性はかなり低いと考えられます」と指摘。その理由について、今回の事件では弁護側も暴行罪の成立自体は争わなかったことに加え、地裁が被害者の供述と提出した証拠を事実認定した点を挙げた。

 そもそも控訴審は「第一審の裁判をイチからやり直す手続きではない」という前提がある。「第一審の事実認定に明らかな誤りや不合理な点が認められない限り、その判断は尊重されるのが一般的です」と続けた。

 今回の事件では「裁判所が被害者の供述の信用性を認める一方、被告人の供述については裏付けが乏しく、信用できないと判断している」ため、「その評価を覆すためのハードルは高いと考えられます」という。

 罰金20万円の量刑については「罰金刑は比較的軽い刑罰であり、その中でも今回の量刑が不当に重いとは評価しにくいでしょう」とみる。控訴審にもち込んだとしても「さらに低額の罰金へ変更される余地は大きくないと考えられます」と解説した。