〝現役最強力士〟の素顔は――。大相撲秋場所(東京・両国国技館)で1年ぶり6度目の優勝を果たした横綱大の里(26=二所ノ関)が28日、茨城・阿見町の部屋で会見し「全勝優勝をしたいとずっと思っていた。まだ一つ成し得てないことがあるので、それに向けて頑張っていきたい」と決意を新たにした。

 千秋楽(27日)では大関安青錦(安治川)に突き出しで完勝。12勝3敗で賜杯を獲得した。石川県出身の横綱は新潟・糸魚川市の能生中、海洋高で6年間の相撲留学の経験がある。

大の里の恩師・田海哲也氏
大の里の恩師・田海哲也氏

 同高の田海哲也総監督(65)は「思い切って前に出て、素晴らしい横綱相撲だった。安青錦よりも先に両手をついたことで、これはいい立ち合いができるなと。相手よりも先に両手をついて立つのは、中学時代からやっていた」と絶賛。千秋楽後には、大の里から寮母の妻・恵津子さんのもとに優勝報告の電話があった。

 高校時代には、チームのキャプテンを務めた。恩師は「試合の時は率先垂範して、リーダーシップを取れる生徒だった」と振り返る。

 左肩のケガを乗り越えて再び賜杯を手にし、表彰式で人目をはばからず〝男泣き〟をする姿が大きな反響を呼んだ。田海総監督によると、学生時代に大の里が涙を流した姿はほとんど記憶にない。「もらい泣きしたし、ビックリした。今は横綱の地位で孤独だし、なかなか悩みも言えない。横綱の使命として、勝って当たり前の世界で生きていかないといけない。それも十分わかった上で、一年間ケガで休場もあって優勝戦線に絡めず、本人が一番つらかったはず」と思いやった。

表彰式で涙をこらえる大の里(代表撮影)
表彰式で涙をこらえる大の里(代表撮影)

 その上で「ケガなく、ファンのみなさんに愛される横綱で長く(現役を)続けてほしい」と教え子にエール。恩師の期待に応えるためにも、大の里が土俵を沸かせ続ける。