大相撲秋場所13日目(25日、東京・両国国技館)、大関経験者の幕内朝乃山(32=高砂)が関脇熱海富士(24=伊勢ヶ浜)を破って10勝目。3敗を死守し、優勝争いに踏みとどまった。
低い踏み込みから左の前まわしを引いて前へ出ると、上手投げを残されても休まず攻め続けた。渾身の力を振り絞って再び前へ出ると、巨体の相手を力強く寄り切った。取組後の支度部屋では「止まったら相手の方が重たい。最初の投げは雑でしたけど、よく立て直して決めた」と会心の相撲を振り返った。
一昨年名古屋場所で左ヒザに大ケガを負い、幕内から三段目まで転落した。再び幕内上位で相撲を取ることを目標に据え、今場所は復帰後最高位の東前頭6枚目。この日は結びの2番前で土俵に上がった。「上位に戻ってきた? まだそれは感じていない。一日一番の気持ちで土俵に上がった。しっかり自分の相撲を取り切ることだけを考えていた」と冷静に話す一方で「大歓声の中で相撲を取れたことはうれしかった」とかみしめた。
2年ぶりとなる熱海富士との顔合わせには「あの時から力をつけている。圧力が全然違う。胸を借りるつもりでいきました」。成長著しい大関候補に、元大関が貫禄を見せつけた。
単独首位の横綱大の里(二所ノ関)が敗れ、星の差1つに接近した。43場所ぶりに優勝すれば、琴錦に並ぶ最長記録。7年前に賜杯を抱いた男は「何も考えていない。一日一番。しっかり休んで明日に備えたい」と静かに闘志を燃やした。













