9日のTBS系日曜劇場「VIVANT」第13話(2023年放送からの通算)のラストシーンについて、放送とネット配信での「違い」がSNSで指摘されている。

 問題の場面は、モスクなどが見渡せる小高い所に立つ警視庁公安部の刑事・野崎(阿部寛)を後方からとらえた俯瞰カット。放送では「イスラエル エルサレム」とのテロップが画面左下の隅にあった。

 Xで「まさか」の言葉が飛び交った、このシーン。野崎はこれまで、自衛隊別班メンバーという裏の顔を持つ主人公の商社員・乃木(堺雅人)を側面から助けるような形で行動してきた。そんな男に裏切りの疑いが持ち上がったのが第一の「意外」。今回大量拉致された別班員の移送先や乃木の立ち回り先はコーカサス地方や東南アジアだったのに、野崎が降り立った地がイスラエルであることも意外性を強めた。

 この場面、TVerの配信では左下のテロップは「エルサレム」とのみ表記されていた。視聴者がXへの投稿で指摘している。

 エルサレムといえば米トランプ政権がイスラエルの首都として大使館を置き、国際的な波紋を呼んだ。日本の外務省ホームページでもイスラエルの首都をエルサレムと記しているが、「日本を含め国際社会の大多数には認められていない」との注釈が付く。

 イスラエルとパレスチナにおける「エルサレムの帰属・地位」は事実上未解決なのが現状。3宗教の聖地である同地の扱いは極めてデリケートであり、前出ホームページで外務省は「将来の二国家の首都となることを前提に、交渉により決定されるべきである」としている。

 つまり「イスラエル エルサレム」は、イスラエルや米国など一部の立場に立った表記と受け取られかねない。「VIVANT」は23年放送版がネットフリックスで国際配信され、今回の続編はU―NEXTが独占配信している。エルサレムの帰属は海外ではさらに要配慮マターとなる地域もあるはず。「エルサレム」単独の表記は、世界配信が視野にあるなら無難な記述だと言える。

 エルサレムも今後、新たに活劇の舞台となるのか。リスク回避の〝二枚舌〟表記も続くのか…。