44MAGNUM、REACTION、DEAD END、SABBRABELLS、X、LUNA SEA、DIR EN GREY、BABYMETAL…。数々の伝説を生んできたライブハウス・目黒鹿鳴館が、存続を懸けた最後のラストスパートに挑んでいる。

多くの伝説のバンドが立った目黒鹿鳴館のステージ(提供写真)
多くの伝説のバンドが立った目黒鹿鳴館のステージ(提供写真)

 1980年の開業以来、日本ロックの歴史そのものを刻んできた目黒鹿鳴館。しかし入居ビルの老朽化による契約満了で営業終了を余儀なくされ、移転計画も白紙に。現在は新たな拠点を探しながら、クラウドファンディングで再生への道を切り開こうとしている。

「この場所をなくしてはいけない。その思いだけでクラウドファンディングを始めました」

 そう語るのは、1987年から目黒鹿鳴館を支え、現在は最後の店長兼オーナーを務める山口高明氏だ。

 ライブハウスが支援を呼びかけることへの葛藤もあった。

「ライブハウスがお金をお願いすることに抵抗がありました。でも『鹿鳴館を守りたい人は必ずいる』という言葉に背中を押されました」

 その思いは全国へ広がった。新店舗の契約金や防音設備、内装工事などを目的としたクラウドファンディングは、第1目標の500万円を開始からわずか9日で突破。山口氏は「まだ鹿鳴館を必要としてくださる方がこんなにもいる。その事実が何よりうれしかったですね」と感謝する。

 さらにDIR EN GREYも全面協力。制作費を全額負担したコラボTシャツは20着限定で発売され、開始からわずか1分で完売。目黒鹿鳴館への熱い思いを示した。

 現在は総事業費約3000万円規模の新店舗計画を見据え、ファイナルゴール1500万円を目標に最後の追い込みを続けている。7月26日時点で支援総額は1072万2400円、支援者は953人。一方で、防音や立地などライブハウス特有の条件を満たす物件探しは難航している。

 それでも山口氏は「鹿鳴館は私の人生そのものです。だからこそ妥協せず、目黒時代を超える理想の空間をつくりたい。そして、これからもアーティストが夢を追い続けられる場所を守っていきたい」と語る。

 クラウドファンディングは7月31日で終了する。山口氏は最後の訴えとして、「1980年オープン以来、ロックを中心に日本の音楽シーンを支え続けてきた目黒鹿鳴館。その灯が今、消えようとしています。契約満了と移転計画白紙という現実の中でも、『この場所をなくしてはいけない』という想いで継続を決意しました。音楽の原点を未来へつなぐためのクラウドファンディングに、どうか力を貸してください」と呼び掛けた。

 日本ロックの歴史を支えた聖地の灯を消さないための戦いは、いよいよ最終局面を迎えた。