福岡発のアイドルグループ「LinQ」を語る上で欠かせない存在がいる。結成当初はメンバー一人からスタートし、自らポスターを貼って仲間を集めた初代リーダー・上原あさみさん(39)だ。2013年に卒業後は裏方に回り、新人発掘や育成を担い、現在は「IQプロジェクト」でプロデューサーを務める。結成15周年を迎えた今、その歩みと今を聞いた。
上原さんは小学生から19歳までの約30人の新人を見ており、オーディションや現場でのLIVE制作、育成まで幅広く関わっている。LinQの立ち上げから関わってきたため、アイドル時代から裏方の仕事も並行して担っていた。「プレーイングマネジャーのような形でした」と振り返る。ステージに立ちながら運営にも携わっていた経験は、今の指導にも生きている。
エンタメの原点はダンスだった。福岡ソフトバンクホークスの公式ダンスチーム「Honeys」での活動を経て、2011年にLinQの立ち上げに関わった。当初はメンバーが自分一人という状況で、何もかもが手探り。オーディションのポスターを約1か月かけて200枚ほど、自ら交渉しながら自転車に乗って貼って回った。「メンバーが集まる前にくじけそうな時もあった」が、「仲間ができるんだと思って」踏ん張ったという。
初代リーダーとしてグループを引っ張った約2年間は「ステージが一番楽しかった」。その一方でグッズの梱包や台本書き、衣装関連など運営面も担い、ファンの間では「総長」と呼ばれる存在となった。13年に卒業した理由については、自分が卒業したいと思ったというより「グループのストーリー」を優先した決断だったと明かした。メジャーデビュー決定を置き土産にバトンを渡したが、寂しさや葛藤もあった。
卒業後は裏方に回り、音楽制作やレコード会社とのやりとり、メディア対応など現場の最前線に立ってきた。演者の気持ちも分かる立場だからこそ、メンバーに伝えられることがある。17年には新体制「IQプロジェクト」が発足。九州発のアイドル育成を掲げ、「サークルでもないし、遊びでもないし、習い事でもない」と、仕事として向き合う姿勢を厳しく教えている。
15周年を迎えたLinQについては「何よりうれしい」としつつ、「一旗揚げたい」と述べた。現在のメンバーについては、一人ひとりが強く、きっかけ次第で伸びる可能性があるとみる。また、初期メンバーとして長年グループを支えた髙木悠未の卒業には「本当によく頑張ってくれたと思うし、ありがとうという気持ちで送り出しました」とねぎらいの言葉を口にした。
自身の歩みについては「幸せだなと思ってます」と語った。結成15周年を迎え、「30年を一つの目標に続けていきたい」と先を見据えた。4月25日には福岡市民ホール大ホールで15周年アニバーサリーライブ「LinQ2000の輪」を開催。さらに九州全県を巡る新メンバーオーディションも控える。福岡に来ることが難しい地方の子供たちにも門戸を広げる狙いがあり、各県を回って直接審査を行うという。創設者は今も、グループの未来を見据えて走り続けている。















