大関返り咲きはなるか。大相撲春場所11日目(18日、大阪府立体育会館)、関脇霧島(29=音羽山)が幕内豪ノ山(27=武隈)を突き落として10勝目。1敗同士の直接対決を制して単独首位に立った。優勝を果たせば大関復帰の可能性もあるなか、いよいよ勝負は終盤に突入。元大関琴奨菊の秀ノ山親方(42=本紙評論家)が霧島の相撲内容を徹底分析し、復活Vに太鼓判を押した。

 約2年4か月ぶりの賜杯へ向けて、大きく前進した。霧島は頭から当たって豪ノ山の出足をそぐと、相手の猛攻にひるまず対抗。足を滑らせて押し込まれる場面もあったが、最後は左のかかとを俵に残しながら逆転の突き落としを決めた。取組後の支度部屋では「しっかり当たれているから、体が動いた。残って良かった」と落ち着いた様子で振り返った。

 この日の相撲を審判として土俵下から見守った秀ノ山親方は「霧島は前さばきのうまさと柔らかさが特長。その持ち味が十二分に発揮されていた。押し相撲の相手のヒジを下からはね上げたり、いなしたり。圧力をまともに受けない技術で粘り強く対応したからこそ、その後の勝ちにつながった。最後に突き落とした場面も、うまさと柔らかさが出た」と分析する。

 足を滑らせて押し込まれた場面についても「本人の中では余裕があったように見えた。調子が良く自分のリズムで相撲が取れている時は、体や足の裏の感覚が研ぎ澄まされて〝ゾーン〟に入ったような状態になる。『あと半歩下がったら俵に足がかかる、そこで突き落としにいく』とか、一つ、二つ先の動きが頭に浮かんで瞬時に体が動く」と解説した。

 これまで2度の優勝を果たしたが、首のケガの影響で一昨年夏場所後に大関から陥落。そこから地道にトレーニングや稽古を重ね、返り咲きを狙える位置にまで戻ってきた。先々場所は東前頭2枚目で11勝、先場所は関脇で11勝。今場所で優勝などの好成績を残せば、一気に大関復帰を果たす可能性もある。

 高田川審判部長(元関脇安芸乃島)は霧島の大関復帰について「最後まで見ないと分からない」と慎重な姿勢を示す一方で「勝っていけば機運が高まる?」と問われると「本人も盛り上がっていくでしょうし、久しぶりの優勝もかかってくる。あとが大事になってくる」と含みを持たせた。

 秀ノ山親方も「今場所全体を通して相撲内容が良く、この日の白星で霧島が優勝しそうな雰囲気が出てきた。最後まで自分の相撲を貫けば、おのずと結果はついてくると思う」と復活Vに期待。残り4日間の戦いから目が離せない。