大阪・関西万博は13日、閉幕日を迎えた。

 東ゲートには前日から入場枠を求めて多くの人が徹夜で並んだ。本来の開門は午前9時だが、20分前にゲートが開くとお目当てのパビリオンに向かって走る人も。各パビリオンではクロージングイベントや閉館セール、お菓子や飲み物の配布など大盤振る舞いだった。

盛大な花火も揚がった万博会場
盛大な花火も揚がった万博会場

 フランス館の正面には「4677000 merusi ありがとう」と書かれた横断幕がかかり、マレーシア館では最後のダンスパフォーマンスが披露された。ダンサーが感極まって泣くと来場客ももらい泣きした。涙が止まらない女性客は「最初の頃、観客がいなくて、それでも笑顔だった。こんなにたくさんの人に愛されて…。彼らはパフォーマンスに手を抜いてないし、毎回違うダンスで中毒性がある。彼らは国を背負って来てるダンサーだから、またどこかで会えるはず。サウジ(万博)にいるかも。明日から貯金します」と語った。

 アメリカ館に2時間並んだ親子は「僕(息子)は12回ほど、毎回浴衣で来ました。せっかくの万博だから服装も楽しもうと思った」と言い、39回目の来場だという母親は「万博は、世界を知るのにいいと思います。お子さんだったら世界で仕事したいって思うでしょうね」。

 今まで6回来場し、最後に大阪ヘルスケアパビリオンの企画「モンスターハンターブリッジ」の入場予約が当たり、帰りのバスをキャンセルしてまで来たという女性は「万博のおかげでSNSで情報収集したり、電子決済したり、だいぶデジタルに詳しくなりました。バスもスマホで予約して、パビリオンの情報はテレビよりSNSの方が早かった。終わるのはさびしいけど、ホッとしてる」とぶっちゃけた。

 フラッグパレードでは、コースサイドに観客が集まった。60代の女性はベンチの上に乗って見物しようとしたが、よろけて転倒し、地面に伸ばした手が金属の物体に当たりケガをした。女性は「骨折した。気分が悪くて立てない」と、その場に突っ伏し座り込んだ。警備員が到着し、ほどなく救護班もストレッチャーを持って到着。パレードを見るために集まった人々は心配そうに成り行きを見守り、30分ほどたった頃、東ゲートに救急車のサイレンの音が響き渡った。

 陽が落ちたインドネシアパビリオンで行われたクロージングイベントでは、AKB48の楽曲「フォーチュンクッキー」と「ヘビーローテーション」に合わせて同館のスタッフが昭和のディスコのごとく歌いおどり、たまたま重なった万博の花火が最後のステージに大輪の花を添えた。

皆勤賞を達成した「万博おばあちゃん」
皆勤賞を達成した「万博おばあちゃん」

 オーストラリアパビリオンを最後に選んだ〝万博おばあちゃん〟こと山田外美代さんは同館のクロージングイベントにも参加。オーストラリアパビリオン政府代表のナンシー・ゴードン氏に「万博の最後に来てもらえて本当にうれしい」と言われると、山田さんは「海、肉、そして星空、オーストラリアにあります。ぜひ観光でオーストラリアに行ってみてください」とアピールした。

 大阪ヘルスケアパビリオンに登壇した前大阪市長の松井一郎氏は、万博誘致の立役者が故安倍晋三元首相と、経済企画庁長官などを歴任した故堺屋太一さんだとし「この万博を作っていただいたのは、この世にいないお2人。堺屋先生と安倍晋三さんです。このお2人が背中押してくれたんです。天国で命を輝かしてる人もいるんだって、忘れないようにしてもらいたいな」と悼んだ。

 大阪ヘルスケアパビリオンに入館した最後の来場者とハイタッチをした吉村洋文大阪府知事と横山英幸大阪市長は、感慨深げといった表情で同館の扉をゆっくりと閉めた。

左から横山英幸市長、吉村洋文府知事、松井一郎氏
左から横山英幸市長、吉村洋文府知事、松井一郎氏

 吉村氏は、全ての業務を完了したアテンダントを前に「みなさん、最終最後まで、ありがとうございました。500万人以上のお客さんが訪問してくださいました。笑顔で多くのお客さまをもてなしてくださったアテンダントのみなさんがあったからこそ、大阪ヘルスケアパビリオンは流行ったんだと思います」と感謝を述べた。

 横山市長は「みなさんの笑顔を見た子どもたちが、未来に向かって進んでいってくれると思います。ここで働いたことは一生の僕らの勲章です」とスピーチした。