9日のNHK連続テレビ小説「ばけばけ」第9回は、引き続きヒロイン・トキ(高石あかり)の見合い話が展開した。

 縁戚である雨清水家の当主・傳(堤真一)の妻タエ(北川景子)に、個別の話があると呼ばれたトキ。同家とトキは〝訳あり〟のような演出がこれまでなされていた。父司之介(岡部たかし)は心中穏やかでないが、話は「婿取り」でなく嫁に出ることを条件に2度目の見合いを進めるというものだった。

 司之介らと暮していきたいトキは断る。その思いに動かされた雨清水夫妻は再度の婿探しをすることに。喜ぶトキは猫のように「おば様~」とタエに抱きつき、傳に対しても「おじ様~」と飛び込んだ。

 嫁に出る話をした際、タエは「私たち夫婦は、あなたの幸せを何よりも願っています。あなたに幸せになってほしいのです」と「幸せ」を繰り返した。過去の放送では、なぜ自分を可愛がってくれるのか、トキ自身が不思議に思い、司之介らに尋ねる場面があった。それを踏まえると、この日のタエと傳へのハグは意味深に映る。

 さらにこの場面を、雨清水家三男の三之丞(板垣李光人)が〝家政婦は見た〟風にのぞいている姿があった。三之丞は日ごろから、傳の工場で働くトキらの居場所に顔を出し、長男の氏松(安田啓人)から「座敷童」呼ばわりされていた。

 思い詰めたような顔つきでトキのハグを見ていた三之丞。そこに現れた氏松は「やはり(雨清水夫妻はトキが)かわいいんだな」と言い、振り向いた三之丞に「この大変な時に」とこぼして立ち去った。

 松江の名家で問題もなさそうな雨清水家の「大変」とはいったい何なのか。「時」を「トキ」とすれば、出生の秘密がありそうなトキが、雨清水家にとって大変な存在であるとも解釈できる。氏松のひと言は意味深な響きを残した。