ブライアン・ウィルソン「カリフォルニア・サン」

 今年6月、アメリカンポップス界のレジェンドであるブライアン・ウィルソンさんが亡くなった。ザ・ビーチ・ボーイズのリーダーであり、ソロとしても数々の傑作を世に送り出してきたブライアン。今回は彼が2010年に日本公開されたアニメ映画「おさるのジョージ2/ゆかいな大冒険!」に提供したソロ楽曲「カリフォルニア・サン」を取り上げたい。

 この曲、オリジナルは1961年にジョー・ジョーンズが発表したシングルが原曲。つまりブライアン版はカバーということになる。同曲のカバーはたくさんあり、パンクバンドのラモーンズのバージョンは特に有名。また、ザ・ビーチ・ボーイズの“同僚”マイク・ラブも19年のソロアルバムで取り上げている。

 まあ、曲名だけである程度イメージできると思うが、ウエストコーストの降り注ぐ太陽やビーチ、そしてサーフィンといった要素が満載の軽快なロックンロールだ。弾むドラムのイントロに続き、ギターとキーボードが交互にリフを奏で、やがてブライアンの歌声が入ってくる。カバーとはいえ、ザ・ビーチ・ボーイズのアルバムに入っていても全く違和感のないカリフォルニア産(ダジャレにあらず)のサーフロック。ちなみにマイク・ラブのバージョンも多少テンポが速いアレンジだが、受ける印象はほとんど同じで甲乙つけ難い。

 残念なのは、この曲、ブライアンのアルバムには全く収録されておらずシングル発売もなし。サントラ盤のみの収録なので、ファンの間でも認知度が非常に低いことだ。ブライアンには他にも映画のサントラやオムニバス盤に参加したアルバム未収録曲がかなりある。シングルB面のみの曲も少なくない。しかも非常に出来がいい。これらの曲をまとめて聴けるアルバムが発売されないものか? きっとブライアンのニューアルバムとして、新たにポップスの名盤の仲間入りすること確実なのだが。