【グランド・ファンク・レイルロード/グランド・ファンク(1969年)】

 1960年代から70年代初頭に巻き起こったハードロックブームで圧倒的な人気を得た米国のバンドのセカンドアルバム。同年8月のデビューアルバム「グランド・ファンク・レイルロード登場」からわずか4か月後に発売され、全米11位を記録した。ちなみにデビュー盤からは名曲「ハートブレーカー」が生まれている。

 当時、最高峰にあったレッド・ツェッペリンやディープ・パープルらブリティッシュハードロックのような卓越したテクニックや洗練さはなく、どちらかといえば朴訥で乱雑なバンドであり、日本では「イモっぽい」という評価もあったが、単純にカタルシス効果という意味では、ハードロックの本質を表現していた。とにかく分かりやすくハードに。それは後のキッスやエアロスミスなどのアメリカンハードロックバンドらに継承されたのではないか。

 同アルバムでは冒頭の「ゴット・ディス・シング・オン・ザ・ムーヴ」からとにかく重く荒く激しい音がこれでもかと鳴らされる。圧巻はアニマルズの名曲をカバーしたラストの「孤独の叫び」。激しいリフが延々と繰り返され、9分半もの大作でありながら聴く者の心をつかんで離さない。この曲はバンドの代名詞ともなった。

 71年7月の後楽園球場での雷雨の中でのライブはあまりにも有名で、当時は一般紙にも取り上げられたほどだった。しかし72年ごろからはポップ路線に走り、デビュー時の初期衝動は失われてしまった。それでもハードロック全盛期にその名を刻んだ名バンドだった。