女優の遠野なぎこさんが亡くなったことが明らかになった。45歳だった。親族が17日、遠野さんのブログで「このたび、遠野なぎこ(享年45歳)が永眠いたしましたことをご報告申し上げます」と公表。「故人の名誉のため、死因についてもご説明申し上げます。現在、警察の見解によりますと、事故によるものであり、自死ではございません」と明かした。

 遠野と連絡が取れない――。

 業界が騒然となったのは今月初め。都内の自宅マンションには報道陣が集結し、同じマンションに住む40代女性からは心配な証言も飛び出した。

「3日、午後3時くらいから騒がしくなった。ベランダを見ると上から赤いひもが見えていて、最初『泥棒かな』と思った。下を見ると救急隊と思われる方が『人命救助です』って言っていた。それから『ベランダのガラスを割るから管理人に確認する』とか聞こえた。パトカーは2台以上いて、エレベーター前には担架があって、『何か事件が起きたのかな』と思いました」

 遠野さんは独身で、ペットの猫3匹と生活していた。精力的に更新していたブログは先月27日の「“鶏肉の照り焼き”」と題した動画投稿を最後に更新が途絶え、前日26日にはインスタで「私、うつ病なんだって」と明かしていた。

 4日午後、遠野さんの自宅から遺体が発見された。DNA鑑定が進められ、この日の親族の発表でそれが遠野さんであることが確定した。

 記者は遠野さんと3月下旬、とある番組で一緒になった。かねて摂食障害を患っていたことは聞いていたが、直接対面してその細さに驚いた。腕は枝のように細く、立っているのもひと苦労といった様子で、ずっとイスに座っていた。

 それでもトークの合間に見せる笑顔はキュートで、話の内容も理路整然としていた。ただし、発する言葉のほぼすべてがネガティブなものだった。

「私、ひとりぼっちなんです…」

 1991年に芸能界デビュー。99年にNHK朝の連続テレビ小説「すずらん」でヒロイン・常盤萌を演じ、毒舌タレントとしてもブレークした。しかし近年は金銭的に困窮していたようだ。

 遠野さんは昨年9月いっぱいで所属事務所を退所。その後、別の会社と業務提携しマネジメント委託していたが、今年2月から完全フリーに。仕事の依頼窓口はインスタのDMで、本人は仕事に前向きだったが、オファーは数えるほどだった。

 ファンとのつながりを確認できるインスタには手料理の写真を頻繁にアップしており、好評だった。「レシピ本を出したい」と語っていたが、どうすればいいかわからず、周囲に「どこに持って行けばいいですか?」「お金になりますか?」と真剣なまなざしで聞いていた。

 番組では幼少期からネグレクト(虐待)を受けてきたことを告白。「一度もホメられたことがない」という環境は壮絶で「母親から(性的に)卑わいな言葉を浴びせられて育った」。

 母親とはその後絶縁。番組では「初めて言う話」として、母が非業の死を遂げたことを淡々と報告していた。

 また、朝ドラ「すずらん」に出演していた時期は性に奔放で、共演俳優と“関係”を持っていたこともあっけらかんと話していた。

26年前…朝ドラ「すずらん」出演時の遠野なぎこさん
26年前…朝ドラ「すずらん」出演時の遠野なぎこさん

 壮絶な半生に言葉を失う出演者たち。危うさをはらんではいたが、決して自暴自棄というわけではなく、光を求めてさまよっているように見えた。

 訃報を受け、SNSでは遠野さんを追悼する声が多く寄せられている。