6月25日の親会社フジ・メディア・ホールディングス(フジHD)の株主総会を前に、フジテレビが異例の発表だ。

 フジは5日、同社の港浩一前社長と大多亮元専務を提訴する方針を発表。元タレント中居正広氏の女性Aさんとのトラブルに端を発した一連の問題で、当時対応した港氏ら経営陣の法的責任を追及する事態となった。

 フジなどが設置した第三者委員会は3月31日に公表した報告書で、2023年6月、Aさんが「業務の延長線上」で、中居氏から性暴力を受けたと認定。港氏と大多氏は同年8月に事案を把握したが、「プライベートにおける男女トラブル」として適切な情報共有や対処を行わなかったばかりか、中居氏の出演番組も継続した。

 この日、同局で会見した清水賢治社長は、港氏と大多氏について「善管注意義務違反があると認識している」「フジテレビは放送収入の大幅な低下があり、被害が生じている」などと説明。損害賠償請求については「まだ断定はできない」としながらも「そのような方向(損害賠償請求)なんだろうなとは思います」と明かした。

 大株主の米投資ファンド「ダルトン・インベストメンツ」などの動きで、大荒れが予想される株主総会。スポンサー企業から再び信認されるためにも、フジとしては旧経営陣の法的責任を厳しく追及する姿勢を見せる必要があるとみられる。

 だが、フジ局内では今後の泥沼化を不安視する声も出ている。

「損害賠償請求したときの港さんや大多さんの動きが読めない。問題発覚後、港さんは〝フジのドン〟といわれた日枝久元取締役相談役ともやり取りしていたが、第三者委員会の調査にも出ていないことを公表したり、何らかの反論をしたりするかもしれない」(フジ局員)

 中居氏を巡っては現在、第三者委員会に対して繰り返して異議を唱えるなど〝徹底抗戦中〟。フジが港氏と大多氏を訴えれば、中居氏とタッグを組んで裁判に臨む事態も十分考えられるのだ。

「泥沼化したらフジも再生・改革どころではなくなるのでは」(同)

 異例の展開の連続で局内は騒然としている。