【今週の秘蔵フォト】1960年代末のフォークブーム真っただ中、67年に19歳で「この広い野原いっぱい」を発売してデビュー、カレッジフォークの旗手となり、その歌唱力と美ぼうから“日本のジョーン・バエズ”と呼ばれたのが森山良子だ。69年には「禁じられた恋」がミリオンセラーとなり、日本レコード大賞大衆賞を受賞。NHK「紅白歌合戦」にも初出場した。その後はジャンルにとらわれず歌謡曲からジャズまでを歌い、女優としても成功した。「この広い野原――」は今でも歌い継がれる名曲だ。

 出産のため、71年は活動休止するが、72年7月に「遠い遠いあの野原」で復帰。同年9月2日付東スポでは復帰を果たしたばかりの森山のインタビューが掲載されている。

「高校(成城学園高)の時に何をやろうかと思ったら歌しかなかったの」と森山は率直に語る。出産で活動休止している間も「空虚になった私の心を満たしてくれるのは歌しかないと思った」と笑顔を見せた。父はジャズトランぺッター、母はジャズシンガー、従兄にはあのかまやつひろしという音楽家系であり、歌に没頭するのも当然だった。

「歌謡曲とか演歌とか、フォーク、ニューロック、ジャズとかいろんな分野に分かれてそれぞれが固まってしまう傾向があるでしょう。もっと交流があってもいいと思う」と自らの音楽哲学も明かしている。

 産まれたばかりの長女は9か月。「子供って本当にかわいいですね。この間のコンサートでも友人から母親らしくなったって言われたの。もちろん子供に対してはやさしい母親にならなくちゃいけませんけど」と語った。

「羽仁進の『放任主義』という本を読みましたけどとってもいいと思いました。ただ子供に勝手気ままにさせるというのではなく、自主性を持たせるということなんですね」と教育論まで話は及んだ。

 ご存じの通り、長男は名曲「さくら」の人気歌手の森山直太朗。しっかりと母親の音楽哲学を継承し、日本を代表するアーティストとなっている。 (敬称略)