旧ジャニーズ事務所(現SMILE―UP.)の創業者、故ジャニー喜多川氏による性加害問題を巡り、被害申告をしたものの補償を拒まれた元ジャニーズJr.の男性ら3人が6日、スマイル社を相手取り、被害者としての地位確認などを求める裁判を東京地裁に起こした。

 3人は元ジャニーズJr.の鈴木氏(仮名=40代)と、いずれも事務所には所属していなかったが、喜多川氏から被害に遭ったと主張する上田和美氏(63)、堀田美貴男氏(52)。この日の提訴後、東京・霞が関の司法記者クラブで記者会見を行った。

 3人はスマイル社の被害者救済に申告を行ったが被害を認められず、そのうえ対象から外れた理由や説明は一切なかったという。鈴木氏は「被害者に対し寄り添った態度や姿勢は、微塵も感じられません。説明どころか返答や回答の一つもいただけないことに誠意のかけらも見当たらない」と語気を強めた上で「私たちの主たる要望は対話の継続」と訴えた。 

 スマイル社は先月28日、被害者救済委員会からの活動状況報告書を公式サイトで報告。現在までに1018人が補償申告をし、補償内容に同意した540人に補償金を支払い、218人に対して補償を行わない旨を通知したとしている。その他は連絡が取れなくなったり、補償内容に同意が得られなかったり、ヒアリングなどの手続き中だという。

 被害に遭いながらも被害を認められなければ、さらなる苦しみになる。なかでも難しいのが所属していなかった被害者だ。

 上田氏は学生時代に広告業界を志望し、喜多川氏から「マスコミ業界に興味あるんだったら」と声を掛けられ、事務所に出入りするようになり被害に遭ったという。「面談では事務所の詳細を説明したんですが、当時いた人はもういないので」と被害の証明の難しさを語る。

 一方で「彼(喜多川氏)からもらったものというものが結構あります。万年筆とか」と明かした。

 スマイル社は取材に次のようにコメントした。以下、全文。

 訴状の送達を受けておらず請求の詳細について把握できておりませんので、コメントは差し控えさせていただきますが、訴状の送達を待ち、裁判手続に真摯に対応させていただきます。

 報道によれば、本日の記者会見においては、弊社の対応に関する指摘もあったとのことですが、弊社は、ご申告のあったいずれの方に対しても、弊社が行う被害補償の枠組みの下、被害者救済委員会とも相談しながら、これまで、過去の在籍に関する資料を幅広く収集するとともに、過去に弊社に在籍していた元従業員らを含む関係者からの情報提供も受けるなどし、過去の在籍の状況及びご申告内容の確からしさの確認を真摯に実施してまいりました。

 その結果、本日記者会見を実施された方々については、弊社の補償業務においては補償をすることができないと判断し、その旨をご連絡しております。

 なお、弊社は、補償をすることができない旨をご連絡した後も、ご申告者の方からのご希望に応じて、弊社の被害補償の枠組みの下で可能な範囲で、その理由のご説明や、ご提供いただいた追加資料等を踏まえた再検討などの対応を実施しておりましたが、今後の裁判手続についても真摯に対応をしてまいります。