【フレディ・マーキュリー「ザ・グレート・プリテンダー」】

 2020年放送のアニメ「GREAT PRETENDER」はスケールの大きなコンゲーム(信用詐欺)を描いた、詐欺師たちが活躍する物語。そのエンディングテーマに起用されたのが、フレディ・マーキュリーが1987年に発表したソロシングル「ザ・グレート・プリテンダー」だ。

 タイトルこそほぼ同じだが、もちろんアニメ用に作られた楽曲ではない。そもそもフレディのバージョン自体がカバーで、オリジナルは70年も前にザ・プラターズが大ヒットさせたもの。フレディ版も発売当時に全英4位というスマッシュヒットを記録している。

 この時期のフレディはソロ活動に力を入れていた。“母体”のクイーンが86年のライブツアー終了後、バンドとしての活動を休止しており、「ザ・グレート・プリテンダー」はフレディのファーストアルバム「Mr.バッド・ガイ」(85年発売)と次作「バルセロナ」(88年)の間にレコーディングされた数曲のうちの一つ。

 アニメのEDに選ばれたのは曲名の一致もあるだろうが、フレディのバージョンが“詐欺”という作品の世界観にジャストフィットしていることが大きいかもしれない。プリテンダーとは「~のふりをする人」や「なりすます人」「何かを偽っている人」のこと。本当の自分の内心をあまりさらさず、常にスターを華麗に演じ続けていたフレディは、まさにグレート・プリテンダー=偉大なる役者だった。

 オリジナルのザ・プラターズ版よりも大幅にうさんくさく(褒めてます)、フェイク感が強いフレディ版こそ、このアニメのエンディングにはピッタリだったと思う。