2023年4月、衆院和歌山1区補選の最中に演説に訪れた岸田文雄前首相に向かって爆発物を投げ込んだとして、殺人未遂などの罪に問われている木村隆二被告(25)の公判で6日、被告人質問が行われた。木村被告は選挙制度に対して不満があったというが、この日は持論を語らなかった。
木村被告は「岸田さんを狙おうと思っていた。世間の注目を集めるためには、こういったことをやるしかないと思った」と、岸田氏を狙ったと証言。殺意は否認している。
犯行の動機には被告が選挙制度に関する裁判を起こしていたことが背景にある。「総理大臣のような有名な人の近くで大きな音を立てたら、私に注目が集まり、裁判が報道されると思った」と話している。
被告は「日本の子どものため、政治家になるのが一番いい」と思い、選挙に出ようとしたという。しかし、年齢制限や供託金というハードルのために立候補できないことで不満を持ち、国相手に訴えていたのだ。
立候補が可能になる年齢の引き下げや、供託金の是非についてはこれまでも議論があったが、木村被告の犯行が議論の邪魔になったという指摘もある。
永田町関係者は「昨年の衆院補選では選挙妨害が話題となりました。こうした選挙中の妨害行為に政治家は敏感なんですよ。それだけにより一層『テロリストには何も与えない』という考えが広く浸透していると感じます」と話した。「テロリストには――」の発言は2019年にニュージーランドで起きた銃乱射事件をめぐって当時のアーダーン首相が語った言葉として知られる。
社会的に意義があっても、テロ犯の主張を受けつけるわけにはいかない。立候補年齢の引き下げや供託金是非の議論は、今後停滞しそうだ。












